12月のメモ

【12月の日常】
◯京都で紅葉見物(12月3日~5日)
人混みが苦手な故、長年躊躇していた京都での紅葉見物を遂に敢行。12月3日の就業後に妻と待ち合わせ、新幹線を乗り継いで午後9時半頃にホテル エムズ・エスト七条という安宿に到着する。部屋の狭さは予想以上だったが、清潔そうだし、まあ、寝るだけだったら我慢できるだろう。
さて、翌日に訪れたのは嵐山~珈琲専門店ヒロセ(朝食)~保津峡トロッコ列車)~大河内山荘~常寂光寺~二尊院~宝厳院~ブレッツカフェ クレープリー(昼食)~永観堂禅林寺高台寺。全般的に紅葉は見頃の終盤に差し掛かっていたが、トロッコ列車の始発(午前9時2分)から高台寺での夜間ライトアップまで美しい京都の紅葉を満喫することが出来、大満足の一日。特に大河内山荘と宝厳院の素晴らしさは期待以上であり、伽藍の見事な永観堂禅林寺にはシーズンオフの静かな時期に再訪してみたい。
最終日の5日に訪れたのはパンとコーヒーとひらりんと(朝食)~東福寺~勝林寺~雲龍院。5年前の新緑の頃に家族で訪れた東福寺が今回の紅葉見物の一番の楽しみだったが、鮮やかな紅色に染められた境内はその期待を十分に満足させてくれるものであり、〆に特別公開中の三門内部を見学すればもうお腹いっぱい。近所の勝林寺と雲龍院をデザート代わりに訪れて念願だった京都での紅葉見物を締めくくった。

◯茨城旅行(12月30日~31日)
コロナの状態が比較的落ち着いている今が好機だろうと家族4人に俺の母親を加えた5人による茨城旅行を企画。30日に自宅~母親宅~長男のアパートと車を走らせて午後2時頃に磯原温泉にある「としまや月浜の湯」にチェックイン。
一休みした後、妻&娘と一緒に海岸まで散歩に出掛け、そのついでに小高い丘の中腹に建つ弟橘媛神社に参拝。調べてみるとそこは天妃山(21.2m)という茨城県内で2番めに低い山だそうであり、思わぬところで今年の山歩きを締め括ることに。勿論、夕食のフグのフルコースもとても美味しかった。
さて、翌日は勿来の関~日立おさかなセンター(お土産&身勝手丼の昼食)を回ってから無事帰宅。コロナ禍の中ではあるが、まあ、なかなか楽しい一年であった。


【12月に読んだ本】
松本清張全集8(松本清張
「草の陰刻」という長編を収録。
探偵役が地検の若手検事という設定が目新しいが、一方、検察の捜査能力不足が事件解決に際しての大きな支障になっており、結局、真犯人の逮捕には至らないままストーリーは終結を迎えてしまう。まあ、このへんの検察と警察との確執、足並みの乱れがテーマの一つになっているのかもしれないが、正直、読後感はいま一つというところ。

◯ブルシット・ジョブ(デヴィッド・グレーバー)
「クソどうでもいい仕事の理論」という魅力的な(?)副題が付けられているのだが、著者の主張するブルシット・ジョブの「最終的な実用的定義」は「被用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態」というものであり、「とはいえ、その雇用条件の一環として、本人は、そうではないと取り繕わなければならないように感じている」のが注目すべき特色。
役所関係で言えば、ヤッテル感を出すためだけのアリバイ作り的な業務がその一例なんだろうが、「その核心は、敵から強奪するか、手数料や使用料、地代、徴税などによって平民から徴収することでたんまりと略奪品を獲得し、それを再販分することにある」のだとすれば、「オトモダチへの利益供与」が済んだ後のアベノマスクの製造、配布、保管業務なんかも立派なブルシット・ジョブになるのだろう。
その解消のためのヒントとして著者が提示するのが「万人に妥当な生活水準が提供」されるという「普遍的ベーシックインカム」であり、どこかの極右政党が主張しているインチキ・ベーシックインカムとはきちんと区別することが必要。その「究極的な目的は、『生活を労働から切り離す』ことにある」そうであり、家事労働を含むケア労働の正当な評価にも繋がるということで、まあ、議論的にはまだまだ未熟な段階ではあるものの、今後の方向性としては一考に値するアイデアだと思う。


【12月に見た映画】
キングスマン:ファースト・エージェント(2021年)
キングスマン(2014年)」の前日譚に相当する作品なのだが、何と言っても最大の注目は今年還暦のレイフ・ファインズがどのくらいアクションを見せてくれるかという点。開始早々のオックスフォード公の負傷はやや意外だったが、意外な人物の施術で無事復活し、最後は手に汗握る大アクションを披露してくれる。やっぱりマシュー・ヴォーンは分かっているなあというのが率直な感想であり、「キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年)」の続編も楽しみだが、こちらの続きもちょっぴり気になるところです。

◯Tick, tick... BOOM! (2021年)
RENT/レント」の生みの親であるジョナサン・ラーソンを主人公にしたミュージカル作品であり、勿論、使われている楽曲も彼のオリジナル。そのせいもあって「RENT/レント」に通じる雰囲気が濃厚だが、彼を演じるアンドリュー・ガーフィールドのキャラクターのおかげもあってとても爽やかな作品に仕上がっている。Netflixで鑑賞したのだが、正直、今年見た映画の中で本作が一番面白かったかもしれない。