明神ヶ岳

今日は、平日の休みを利用して一人で日光市にある明神ヶ岳を歩いてきた。

この山は、先日、妻と歩いた持丸山と一緒にリストアップしておいたのだが、少々距離が長いので妻には荷が重いかもしれない。しかし、たまたまヤマレコで目にした周回コースはちょっと面白そうであり、ならば一人で歩いてこようと、午前7時頃に起点となる湯西川水の郷観光センターに到着する。

身支度を整えて7時3分に歩き出す。水の郷大つり橋を渡って長寿の鐘のある展望台(7時10分)に向かうと、そこには「私有地のため山林内へは立ち入らないで下さい」という看板が立っている。一瞬躊躇ったが、尾根上に付けられたジグザグ道が通行禁止になっている様子はなく、改めてできるだけ山林に負担を掛けないことを心に誓って先に進む。

そのジグザグ道を上りきると一度傾斜は緩むが、次の急登箇所には赤い矢印の看板(7時51分)が立っており、脱いだ上着をザックに収納してからその急坂を上り始める。枯れ葉の量は先日の持丸山より少ないが、こっちのほうが傾斜はきついので、底のすり減った靴で上って行くのはちょっと大変。

ようやく着いた1169.2P(8時23分)で休んでいる時にザックに入れてきたチェーンスパイクのことを思い出し、戯れ半分に装着してみる。しかし、その効果は絶大であり、着けた後は踏ん張ったときにズリ落ちる感覚が完全に消え失せる。思わぬ効果に喜んでいると好事魔多し、そろそろ1232Pかと思ってGPSを確認したとき、突然、その画面が暗転してしまう(8時58分)。

再びスイッチを押すと起動はするのだが、数秒で暗転してしまい、う~ん、マズいときに故障してしまったもんだなあ。とりあえず落ち着こうと思って地面に腰を下ろし、お守り代わりにスマホにインストールしておいた地図ロイド(=地図データはあらかじめダウンロード済み)を起動してみると、幸い現在地はきちんと確認できるみたい。

一応、ここから引き返すことも考えてみたが、目的地は目前にハッキリ見えているので、このまま明神ヶ岳に向かい、そこから正式な登山道を使って下山した方が道迷いの心配は少ないだろう。そうと決まれば不安な気持ちは何処へやら、最後の長い急登を喘ぎながら上って10時16分に1574P着。念のため、LINEを使って自宅に途中経過を報告しておく。

それから先は明瞭な踏み跡を追うことも出来、細尾根に自生するシャクナゲに悩まされながらも10時53分に明神ヶ岳(1594.6m)に到着。意外に広々とした山頂はなかなか良い雰囲気であり、栃木百名山にもまだこんな良い山が残っていたんだなあ。その後、持参したコロッケパンで空腹を癒やし、11時5分に下山に取り掛かる。

さて、再び地図ロイドで下山方向を見定めてから周囲を探ってみると、間もなく期待したとおりの明瞭な踏み跡を発見することが出来、そこをほぼ一直線に下ってヨガッタァ(11時23分)まで降りてくる。すると、地形図にあるとおり目の前に小ピークが現われ、その一つ先の小ピークから北北西に向かって下っていけば良いらしい。

尾根は所々細くなるものの危険性は皆無であり、金剛ゾネ(1361m。11時43分)の先に続く長い急降下も比較的足元はしっかりしている。しかし、明神ヶ岳にピストンで上る場合、この見晴らしのない急斜面を延々と上り続けるのは精神的にもかなりの負担であり、それがこの山の人気の低さに繋がっているのだろう。そんなことを考えながら、滝倉橋の手前の所で前沢稲ヶ沢林道(12時27分)に無事着地することができた。

そこでずっと着けたままにしておいたチェーンスパイクを取り外し、通行止めになっている沢沿いの林道をテクテク歩いて行く。途中どこかで崩落箇所の工事をしているのだろうと思っていたが、何処にもその様子はなく、13時27分に観光センターまで戻ってくる。ヤマレコで拾ったもので一部補正したログデータによると、本日の総歩行距離は13.2kmだった。

ということで、県南の尾根歩きとは異なり、防獣ネットやブル道等に煩わされないで済むのはとても快適であり、またこの付近で別のルートを探してみることにしよう。ちなみに、帰宅してから改めてGarminのeTrex30の電源を入れてみたところ何の支障もなく立ち上がり、その後の動作にも異常はないみたい。安い買い物ではない故、しばらくは地図ロイドとの併用で様子を見てみることにします。
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