細尾峠から夕日岳

今日は、平日に休みを取って妻と一緒に鹿沼の夕日岳を歩いてきた。

梅雨の晴れ間を狙っての計画だが、アカヤシオ等の季節の終わった今の時期なら間違いなく空いているだろうというのがこの山を選んだ最大の理由。車で来るのは今回が初めてだが、予想したとおり、午前9時前に着いた細尾峠には県外ナンバーの車が1台止まっているだけであり、我々も路肩の駐車スペースを労することなく確保する。

さて、身支度を整えて9時1分に歩き出す。天気予報どおり湿度は低く、また直射日光は落葉樹の繁った青葉が遮ってくれるため、梅雨時とは思えないほどコンディションは良好。唯一の誤算は、これまで下りでしか使ったことのなかった薬師岳へのルートが意外に長くて傾斜がキツい点であるが、まあ、そこは頑張って9時49分に薬師岳(1420.1m)に着く。

青葉が繁っているため山頂からの見晴らしは今一つであり、あまり疲れていないこともあって数分間の小休止の後、次の目的地である夕日岳へ向かう。7年前に単独で逆方向から歩いたときの記憶は曖昧だが、まあ、それくらい危険性の少ない緩やかな山道であり、妻と今夏の家族旅行の計画等を話し合いながらのんびり歩いて行く。

ちょっとしたアップダウンを越えると、地蔵岳方面との分岐にある三ツ目(11時16分)に到着。その先の岩場を通過した付近で、細尾峠に止めてあった車の持ち主と思われる夫婦連れとスレ違うが、お互いマスクを付けていないにもかかわらず、大声で話しかけてくるのでやや困惑してしまう。

まあ、そんなことはあったものの、11時41分に着いた夕日岳(1526.1m)山頂は期待していたとおり無人であり、賑やかな蝉の声を聞きながらゆっくり大休止。しかし、上半分が雲に隠れた男体山を眺めながら空腹を満たしていると、三ツ目方面から熊鈴の音が聞こえてくるようになり、それに続いて10名余の団体さんが山頂にやって来る。

いつもならさして気にもならないが、この時期、マスクを付けずに大声で歓談されている様子はちょっとしたホラーであり、正直、“何て日だ!”っていう気分。しかし、空いているのを期待したのはお互い様であり、ここはおとなしく退散させて頂くのが最善手ということで、少々予定を切り上げて下山(12時6分)に取り掛かる。

さて、歩き始めて間もなく、前を歩いていた妻が急停止。彼女の指さす先には茶色の毛をした小動物が地面にうずくまっており、最初はモグラかと思ったが、軍手をした手でそっと捕らえてみるとどうやら野ネズミの子どもらしい。折角なので数枚写真を撮らせて頂いた後、藪の中に放してやった。

変わった点と言えばそれくらいであり、後は往路を引き返して三ツ目(12時28分)~薬師の肩(13時42分)~細尾峠(14時38分)。本日の総歩行距離は8.7kmで、これは先日の三本槍岳より短いのだが、妻の感想では“ちょっと疲れた”そうであり、やはり花のない時期のこのコースは少々単調すぎたのかもしれない。

ということで、“平日だし、時刻も早いし”と思って今月から営業を再開した「やしおの湯」に立ち寄ってみたところ、駐車場はガラガラ。入口で住所氏名の記載を求められたが、浴室も休憩室も空いていて混雑の心配は無用であり、おかげで5ヶ月ぶりに広々とした浴槽で山歩きの汗を流すことが出来ました。
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