バンブルビー

2018年
監督 トラヴィス・ナイト 出演 ヘイリー・スタインフェルドジョン・シナ
(あらすじ)
1987年のカリフォルニア。18歳の誕生日を迎えたチャーリー(ヘイリー・スタインフェルド)は、アルバイト先のスクラップ置き場で埃をかぶった一台の黄色いフォルクスワーゲン・ビートルを見つける。プレゼント代わりにそのビートルをもらい受けた彼女が、自宅のガレージで車の下に潜り込んでみると、何とそこには顔のようなものが付いており、見る間にロボットの姿へと変身していく…


トランスフォーマー・シリーズの人気キャラであるバンブルビーを主人公に据えたスピンオフ作品。

本当は、とても楽しみにしていたレネー・ゼルウィガー主演の「ジュディ 虹の彼方に(2019年)」を見に行くつもりだったのだが、コロナウィルスによる自粛ムードを考慮して延期を決定。しかし、古賀志山への早朝散歩を済ませてしまうと他にやることが無くなってしまい、仕方がないのでAmazonプライムで配信されていた本作を見てみることにした。

さて、本家のトランスフォーマー・シリーズは1作目の「トランスフォーマー(2007年)」しか見ていないのだが、その理由は監督のマイケル・ベイが苦手だからであり、むしろロボット映画は俺の大好物の一つ。幸い本作の監督は「KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年)」のトラヴィス・ナイトであり、ひょっとしたらと実はちょっと期待して見たのだが、結局、マイケル・ベイの呪縛から抜け出せていないというのが鑑賞後の率直な感想だった。

まあ、題材的には決して目新しくないものの、「アイアン・ジャイアント(1999年)」から「ベイマックス(2014年)」まで、ハズレの少ない鉄板ネタのはずなのだが、本作の酷い脚本はその鉄板をも粉々にしてしまうほどの凄い破壊力であり、金太郎飴みたいにどこを切っても“陳腐”の二文字しか出てこない。

そんな原案と脚本を担当しているのはクリスティーナ・ホドソンという女性ライターらしいのだが、彼女の書き下ろした新作が「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey(2020年)」だそうであり、う~ん、見る前からマーゴット・ロビーの運命がとても心配になってしまった。

ということで、本作が実写映画デビューとなるトラヴィス・ナイトの演出も凡庸であり、アクションシーンにも何ら新しい工夫は見当たらない。唯一の救いは主演を務めたヘイリー・スタインフェルドの魅力であり、彼女がいなかったら最後まで見続けるのは難しかったかもしれません。