ヒックとドラゴン 聖地への冒険

今日は、妻&娘と一緒にシリーズ3作目となる「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」を見てきた。

全米では今年2月に公開され、見事、週末興行収入ランキング初登場1位に輝いた作品なのだが、我が国では前作「ヒックとドラゴン2(2014年)」が未公開のままであり、まあ、本作もDVD待ちかなあ、と思っていたところに飛び込んできたのが劇場公開決定の大ニュース。ようやくトゥースの飛翔シーンをスクリーン上で見られるということで、喜び勇んで映画館へ。

さて、ストーリーは、バーク島でドラゴンたちとの楽しい共同生活を送っていたヒックたちの前に最凶のドラゴンハンターであるグリメルが現れ、彼との無用の争いを避けるためにヒックは皆と一緒に新天地“幻の聖地”を目指して旅に出る、というもの。しかし、狡猾なグリメルが黙ってヒックたちを見逃すはずはなく、メスのライト・フューリーを使ってトゥースの捕獲、殺害を企てる…

ちょっぴりゴタゴタした印象の強かった前作に比べると本作のテーマは極めてシンプルであり、それは“ドラゴンからの自立”。恋の季節を迎えたトゥースは次第にヒックと距離を置くようになるのだが、そんなときに起こった大事件がグリメルによるトゥースの捕獲。トゥースがいないと何も出来ないと嘆くヒックだったが、アスティの励ましやポンコツ四人組の協力を得て、見事トゥースらの救出に成功する。

そしてヒックの“自立”はこれだけにとどまらず、最後はドラゴンたちの平和な暮らしを願ってトゥースをはじめとする全てのドラゴンの解放を決意する。素晴らしいのはバーク島の人々がその決定に素直に従うところであり、それは決して権力の行使にはよらず、彼の声が島民の良心に届いたからなんだろう。

確かに、バーク島では人間とドラゴンの“共存”が実現していたのかもしれないが、そこに主従の関係が存在していたのも明らかであり、それを打破し、両者に対等の関係を保障する方法が“隔離”しかなかったというのはちょっぴり残念な結果。しかし、ヒックにもトゥースにも子供が出来たことだし、まあ、“対等な共存”関係の構築は次の世代への希望ということにしたのかもしれない。

ということで、これは前作からの宿題であった“考えの異なる者同士の共存”というテーマとも関係する訳であるが、Wikipediaによると「当初、デュボア監督は本作の結末部で前作に登場したドラゴを復活させるつもりだった」とのこと。うーん、いったい監督は復活させたドラゴに何を語らせたかったのでしょうか。