クリード 炎の宿敵

今日は、妻&娘と一緒にロッキー・シリーズ(?)の最新作である「クリード 炎の宿敵」を見てきた。

 

前作の「クリード チャンプを継ぐ男2015年)」はDVDでの鑑賞であったために娘は未見だが、そんな彼女に“クリードというのはロッキーの親友の息子であり、その親友をリング上で殴り殺したのが今回のライバルの父親”という関係だけ理解しておけば大丈夫と言い聞かせながら映画館へ向う。

 

さて、前作の感想には「遠からず制作されるであろう『クリード2』のことを考えると、アドニス側のドラマがあまり描かれていなかったところがちょっぴり心配」と書いておいたのだが、そんな心配は全くの無用であり、本作には「ロッキー4/炎の友情(1985年)」に由来するドラマがてんこ盛り。やっぱり、ロッキー抜きではこのシリーズは成り立たないんだね!

 

とはいうものの、良く考えてみれば俺も「ロッキー4」はまともに見ておらず、本作鑑賞後にネットでそのあらすじを読むまでは“米ソ冷戦に便乗した作品”くらいにしか考えていなかったのだが、そんな俺が見てもドラゴ親子が味わってきたであろう労苦を想像することは可能であり、正直、とても良く出来た“お話し”だと思う。

 

最初の試合で対戦相手であるドラゴ子の強さを強烈に印象付けておき、二度目の対戦でそれをひっくり返すという手口は、まあ、プロレスでも怪獣映画でもしばしばお目にかかる手垢にまみれた対戦モノの王道であり、最後にドラゴ親がタオルを投げ込むことによって試合が決まるんだろうという結末も試合前から容易に予想出来てしまう。

 

しかし、そんなマンネリ批判に臆することなく王道を貫いた蛮勇(?)は依然大ヒットを続けている「ボヘミアン・ラプソディ2018年)」にも通じるものであり、館内にロッキーのテーマが鳴り響いたときには、不覚にも目頭が熱くなる。う~ん、俺ってこの曲、あんまり好きじゃなかったんだけどなあ。

 

そんな気持ちになるのはオヤジだけかと思い、鑑賞後、娘の感想を聞いてみたのだが、本作に込められたスタローンの熱い気持ちはしっかり彼女にも届いたようであり、あそこでロッキーのテーマを流すのはズルイよねと言いながら結構喜んでいた様子。そういえば、クリード役のマイケル・B.ジョーダンって、彼女が大好きな「ブラックパンサー2018年)」のキルモンガーだった。

 

ということで、自分が世界チャンピオンになるエピソードを至極軽く扱われてしまったクリード君にはご愁傷様としか言いようがないが、今回は、彼の一人娘として生まれてきた赤ん坊に聴覚障害があるかもしれないというエピソードが未解決のまま残されており、これが「クリード3」の主要テーマになれば、彼が名実ともに本シリーズの主役になることも可能。さて、スタローンはどう考えているのでしょうか?