今日は、久しぶりに一人で福島県にある安達太良山を歩いてきた。
夫婦で熊野古道を訪れたときに使用した青春18きっぷがあと1回分残っているのだが、その使用期限は9月10日まで。せっかくなので山歩きに使えないかと“駅から登山”で検索してみたところ、引っ掛かってきたのがこの山と山梨県にある倉岳山の二つであり、第一候補は後者(=バスを使わなくて済む。)だったものの、結局、お天気との関係でこっちに決定。
さて、午前5時18分宇都宮発の始発電車に乗り込み、黒磯~新白岡と電車を乗り継いで7時59分に二本松駅に到着する。全体の所用時間が3時間弱にもかかわらず、途中2回も乗り継ぎをしなければならないのは面倒だが、技術的な理由により黒磯と新白岡では必ず車両の交換をしなければならないらしい。(まあ、結局は赤字区間の悲哀みたいなものなんだろうけどね。)
二本松駅から先はバスを利用するが、今の時期は8時15分発の「シャトルバス奥岳便」(=@500円)なるものが運行されているため、これを利用して登山口のある奥岳に楽々到着。電車との連絡といい、往路ではとても便利なのだが、帰りは12時20分と15時30分の2便しかないのが玉に瑕。しかも、何故か岳温泉で一般バスに乗り換えなければならないんだよね。
バスは時刻表の予定(=9時5分)より早く着いたので、身支度を素早く整えて9時ちょうどに歩き出す。安達太良山を歩くのはこれが三度目だが、これまでは妻と一緒だったために往路か復路かどちらかでロープウェイを使っており、自力で周回するのは今回が初めて。過去の所用時間は参考にならないが、まあ、何とか15時30分までにはバス停に戻ってこられるだろう。
しばらくの間、帰りにも利用する馬車道を歩いて行くと、9時12分に五葉松平経由の登山道分岐に到着し、ようやくここから山道歩きが始まる。といっても最初はスキー場のゲレンデの中を上っていくため直射日光が厳しく、樹林帯の中に入ってホッと一息。五葉松平(9時44分)を過ぎた頃からロープウェイ利用客の喧噪が耳に入るようになり、彼らと合流して9時53分に薬師岳に着く。
良く整備された登山道は平坦でとても歩きやすく、何組かの方々に先を譲ってもらいながらどんどん歩いて行くと、仙女平分岐(10時12分)を過ぎて10時38分に石の祠がある山頂(1700m)に到着する。しかし、風が強いのでとても長居は出来ず、午の背を歩いて沼ノ平火口(10時52分)へと移動。うん、ここからの眺めはやっぱり迫力があるねえ。
前回はそこから峰ノ辻方面に下りてしまったのだが、今日はまだ時間もたっぷり残っている故、その先にある鉄山を目指すことにする。強風に飛ばされないように帽子をザックに収納し、前方に見える岩場のピークに向かって歩いて行くと登山道はその岩場を左から巻くように続いており、あれっ、これでは鉄山を通り越してしまうんじゃなかろうか。
ちょうどそのとき通りかかった単独行の方にお伺いすると、やはり岩場には上らないそうであり、鉄山にはもう少し先に進んだところから行けるとのこと。その話に安心して歩いて行くと、岩場を巻き終わった地点からやや戻るようにして鉄山の山頂(1709m。11時13分)に着くことが出来、その先にある岩場のピークに立つことも出来た。
沼ノ平火口をはじめとする周囲の景色は素晴らしく、ここで本日最初の休憩を取るが、昼食用のパンを食べ、休日出勤の妻にLINEを入れてしまうと後は特にすることもない。仕方がないので11時24分に下山に取り掛かり、写真を撮りながら分岐(11時42分)まで引き返した後、峰ノ辻(11時51分)~くろがね小屋(12時11分)と下りていく。
計画よりかなり早いので小屋でヒマを潰そうと思ったが、さっき食べたばかりなのでコーヒー等を注文する気にもなれず、いいや、さっさと下山してしまおう。その先の車も通るデコボコな馬車道(=実際に1台とすれ違った。)を歩くのはこれが2度目であり、やや退屈な思いをしながら旧道分岐(12時40分)~登山道分岐(13時7分)と進み、13時15分にバス停のところまで戻ってくる。本日の山歩きの総歩行距離は14.1kmだった。
さて、バスの時刻まではまだ2時間以上あるが、ここでタクシーを呼んでしまうのは今回の山行の趣旨に全くそぐわない。そんな訳で木陰に入って本を読んだり、ポケGOをしたりしながら時間を潰し、定刻どおり15時30分発のバスに乗って岳温泉に移動。そこで30分以上待たされてから16時22分発のバスに乗り換え、二本松駅に着いたのが16時46分。
16時51分発の電車まで5分しかないのでちょっと心配していたが、幸い駅は小さく、乗客もあまりいないので余裕でセーフ。後は往路と同様に黒磯~新白岡と電車を乗り継ぎ、予定どおり19時50分に宇都宮駅まで戻ってくる。乗客は朝よりずっと多かったが、いずれの電車でも何とか座席を確保することが出来た。
ということで、バスの待ち時間が長いのが大きな欠点だが、フィリップ・K.ディックの短編小説を読んでいるうちに登山口に着いてしまうというのは魅力であり、今回の山行にもとりあえず満足。しかし、青春18きっぷを使うならやはり日帰りではなく、2、3日かけてのんびり楽しみたいところであり、また、何か別の計画を考えてみたいと思います。