下見を兼ねて燧ヶ岳

今日は、8月の巻機山以来の単独行ということで、尾瀬の燧ヶ岳を歩いてきた。

今月は天気の安定しない日々が続いており、せっかくの夏山シーズンも欲求不満を抱えたまんま終わりそう。楽しみにしていた妻との富士登山も見送りになり、彼女の次の目標の候補としてこの燧ヶ岳を選んでみたのだが、ちょうど7年前に歩いたときの記憶はもはや曖昧。仕方がないので、妻を同行するときの下見を兼ねて、そのときと同じ初心者コースを歩いてみることにした。

さて、紅葉にはちょっと早いせいか、午前5時過ぎに着いた御池駐車場はまだガラガラ。日の出前ではあるが、もう周囲は十分に明るいので素早く身支度を調えて5時21分に歩き出し、駐車場の奥にある登山口を入って最初の分岐(5時24分)を左折。駐車場は乾いていたのでローカットの靴をそのまま履いてきてしまったが、間もなく泥濘が目立つようになり、う〜ん、選択を誤ったかなあ。

今日のルートは広沢田代と熊沢田代という2つの湿原を横切っていくのだが、最初の広沢田代に着くまでの区間はそれなりの急登。特に段差の大きい岩場の斜面は妻が最も不得意とするところであり、ここは十分時間をかけてゆっくり歩く必要があるなあと考えながら広沢田代(5時52分)に着く。

湿原を過ぎて再び山道に入ると、間もなく「5合目」のプレート(6時10分)が目に入るが、歩き出してからまだ1時間も経っておらず、ちょっと甘すぎるんじゃないかなあ。しかし、この区間の傾斜は比較的緩やかであり、6時21分に着いた熊沢田代からは燧ヶ岳の姿が良く見える。朝日に照らされた草紅葉の様子もなかなかのものであり、小雨交じりの中を歩いた7年前とは大違い。

その先も歩きやすい山道が続いているが、7合目(6時37分)の先に出てくる大きな石のゴロゴロした斜面が2番目の難所。それほどの急斜面ではないものの、先の見えない感じが精神的にも負担であり、8合目(6時52分)の手前でトラバース道に入ってようやくホッとする。

その後、見覚えのあるガレ場(6時54分)を横切り、9合目(6時57分)を過ぎると最初のピークである俎グラ(2346.2m)はすぐそこであり、7時6分に到着。しかし、目の前に燧ヶ岳で一番高い柴安グラ(2356m)がドーンと聳えているのを見ると休んでいる訳にもいかず、そのまま歩き続けて7時19分に山頂に着くことが出来た。

俎グラの先で下山してくる登山者2名とすれ違ったので一番乗りとはいかなかったが、俺が着いたときの山頂は無人であり、尾瀬沼はもちろん、尾瀬ヶ原から至仏山へと続く大パノラマをゆっくり独り占め。晴天に恵まれた今日の山頂からの景色は素晴らしく、“晴れてよかったね!”という娘からのLINEに“日頃の行いのせいだと思いますw”と応えて7時34分に山頂を後にする。

俎グラまで引き返すと、ピークの手前に赤ペンキで“ヌマ”と書かれた矢印(7時46分)が目に入ったので、そこを右折して急な岩場を下りていく。長英新道への分岐(7時58分)を左に入ったところにあるミノブチ岳(8時3分)はとても見晴らしの良いところであり、前回、ガスの切れ目から一瞬だけ見えた尾瀬沼の神秘的な美しさを思い出しながら一休み。

さて、長〜い長英新道は予想どおりの泥濘であり、ローカットの靴で走る訳にもいかない。スマホを見るとアンテナが立っていたのでPokemon GOを試してみたが、会津駒ヶ岳とは違ってポケモンの影すら見当たらず、こちらも断念。仕方がないので、ZEN Stoneから流れてくる音楽だけを心の支えに尾瀬沼(9時21分)まで下りて行く。

そこから先は湖岸の木道を進み、大江湿原の分岐(9時29分)を左折して10時9分に沼山峠着。10時30分発のバスに乗って無事に御池駐車場まで帰ってきた。本日の総歩行距離は13.2kmであったが、7年前の記録と比較すると柴安グラまでの所要時間は1時間58分で前回(=ロスタイムを除き2時間11分)を13分下回っており、まだしばらくの間は老化による衰えを憂う必要はなさそうである。

ということで、次回、妻を同行した場合に予想される難所としては、広沢田代までの急登と石のゴロゴロした7〜8合目間、それに沼山峠手前の地味〜な上りの3カ所といったところ。これらを回避するために反対回りに歩くという作戦もあるが、まあ、どちらが良いかは妻と相談して決めたいと思います。