杣添尾根から南八ヶ岳

今日は、南八ヶ岳に属する赤岳〜横岳〜硫黄岳を日帰りで歩いてきた。

赤岳から硫黄岳までの稜線歩きは2年前の6月にテント泊で一度挑戦しているのだが、そのときは荒天により赤岳に登っただけであえなく挫折。それ以来、リベンジの機会を窺っていたのだが、一応、赤岳登頂は果たしているだけに、北アルプス方面に比べるとテント泊山行における優先度は低く、なかなか実現しないままになっていた。

そんなときにたまたま目にしたのが杣添尾根を使って横岳まで日帰りで往復するプランであり、調べてみると登山口までの所要時間は3時間程で、これなら福島県の檜枝岐に行くのとそう変わらない。また、少し頑張れば赤岳や硫黄岳も十分に射程内ということで、休日の混雑を避けるため平日に休みをとり、午前5時頃に別荘地内にある登山者用駐車場に到着する。

周囲はまだ薄暗いが最初は別荘地内の道ということで、5時13分に駐車場を出発。事前学習のとおり舗装道路を5本横切り、富士見岩への分岐(5時26分)を直進して5時38分に橋を渡ると、そのすぐ先の東屋の左手に本格的な登山口がある。熊鈴を忘れてきてしまったため、AMラジオの音量をちょっと大きめにして、いざ、八ヶ岳へ。

沢の木橋(5時43分)のところに“先は長いぞ”というメッセージが掲示されているが、あらかじめ調べておいた先人の記録では、駐車場から最初の目的地である三叉峰分岐まで早い人で2時間強、遅い人では4、5時間かかっている。赤岳だけでなく、硫黄岳まで足を伸ばすには3時間くらいで着ければなあと思いつつ、オーバーペースにならないよう気を付けながら目の前の斜面を黙々と上っていく。

コースは、大き目の石がゴロゴロしていたり、倒木が放置されていたりと決して歩き易くはないのだが、幅が広いので迷うような心配は無い。往路では標識の類もあまり目に入らなかったが、木に括り付けられた黄色のブリキの標識(6時43分)を過ぎた頃から木々の間から周囲が見渡せるようになり、雲の上に聳える富士山のシルエットも認められた。

枯木帯と呼ばれるところを通過して、7時23分にハイマツ帯に出ると視界は一気に広まり、目指す稜線もはっきり確認出来るようになる。前回とは比べものにならないような好天に感謝しながら、7時33分に三叉峰分岐に到着すると、駐車場からの所要時間は2時間半を切っており、これなら予定どおり硫黄岳まで行って来られそう。

さて、最初はこの分岐を左に折れて八ヶ岳最高峰の赤岳を目指すが、地蔵の頭(8時4分)までの稜線は予想したよりアップダウンが激しく、赤岳天望荘(8時7分)の先には赤岳へ続く最後の急斜面が待っている。ガスで真っ白だった前回、ここを下ることを諦めたのは大正解だったと思いながら赤岳頂上山荘(8時29分)を過ぎ、8時32分に2度目の赤岳山頂(2899m)。

山頂からの景色は前回とは比べものにならない素晴らしさであるが、平日にもかかわらず、他の登山客の姿が途絶えることはなく、自宅に途中経過をメールしながら10分くらい休んだだけで三叉峰分岐(9時40分)まで引き返す。

分岐から横岳(2829m。9時50分)まではアッという間であり、比較的静かなこちらの山頂で本日初めての大休止。行動食として買い込んだ菓子類を口にしながらぼんやり周囲を眺めていると、どこかで見覚えのあるパターンを認識し、何とあれは先月訪れた槍・穂高連峰ではないか。

休憩後は、ちょっとした岩場を慎重にこなし、小ピーク(10時8分)〜硫黄岳山荘(10時21分)と歩いて、本日最後の目的地である硫黄岳(2760m。10時39分)に到着。大勢の登山客に混じって広い山頂から爆裂火口跡を覗き込んだり、北と南に広がる両八ヶ岳の景観を眺めたりしてのんびり過ごした後、下山に取り掛かる。

下山後の楽しみに硫黄岳山荘でぶどうジュースのペットボトルを購入し、横岳(11時47分)を過ぎて、本日3度目の三叉峰分岐。今度はきちんと山頂(2825m。12時5分)を踏んでから往路を引き返し、黄色のブリキの標識(12時50分)〜沢の木橋(13時50分)〜東屋(13時53分)と歩いて14時13分に駐車場まで戻ってきた。

ということで、好天に恵まれたこともあり、9時間丁度、総歩行距離17.1kmの山歩きは大満足の出来。八ヶ岳にはここ以外にも魅力的なコースがいろいろ存在しそうであり、とりあえず次回は北八ヶ岳周辺をのんびり歩いてみたいと思います。