この山を訪れるのは今回が2度目であり、前回も妻と一緒。そのときは強風でロープウェイが動かなかったために山頂まで歩いて上ったのだが、それでスタミナの大半を使い果たしてしまい、牛の背〜くろがね小屋方面に足を伸ばすことが出来なかった。今回はそのときのリベンジであり、午前8時頃に奥岳登山口のある駐車場に到着。
個人的にはロープウェイを使うのはあまり気が進まないのだが、おととい四阿山に付き合わせたばかりの妻の心中を察すれば、まあ、仕方ないところ。長い行列に並んでからロープウェイに搭乗すると、あっという間に8合目に相当するという山頂駅に到着し、GPSの電源を入れて8時48分に歩き出す。
上空には青空が広がっており、紅葉に色づき始めた山の斜面もなかなか美しいのだが、仙女平分岐(9時25分)の手前で休憩を取っている頃から急速に雲の量が増えていく。山頂がガスに包まれて何も見えなかった前回の悲劇を思い出してテンションは少々下降気味だが、日頃の行いの良かったことを信じて10時6分に山頂(1700m)の標識があるところに到着。その先はちょっと混雑していたが、10時12分に祠のある岩場の頂上に立つことが出来た。
さて、我々の日頃の行いは“まあまあ”程度だったらしく、歩いてきた山頂の東側は雲に覆われているものの、西側は青空がのぞいている。我々が一番見たかった沼ノ平方面はその西側に属しているため、山頂からの見晴しは十分に満足できるレベルであり、生々しい噴火の雰囲気を色濃く残している火口付近の異様な風景を楽しみながら、ゆっくり休憩を取った。
再出発(10時36分)後は、その火口の縁にある“牛の背”に向かって歩いて行くが、道は平坦なので全く負担にならない。しかし、牛の背から鉄山までは結構な上りになるため、一つ先の小ピーク(11時6分)に着いたところでUターン。牛の背の分岐(11時11分)を左に入り、くろがね小屋方面へと下山する。
登山道が交差している峰ノ辻(11時26分)までは比較的歩きやすい道が続いているが、そこから先の長いガレ場は足下が滑りやすいので注意が必要。しかし、下りが苦手という妻もここは無難にクリアして、12時7分にくろがね小屋に着く。
小屋の前のベンチでは大勢の登山者が休憩を取っており、彼等に交じってここで大休止。持参した山専ボトルのお湯でカップラーメンを作ったり、トイレのチップ代わりに購入したコーラ(@300円)を飲んだりして腹拵えをする。我々の隣にいた若いカップルはまだ1歳にもならないような赤ん坊連れだったのだが、彼等の使っているベビーキャリア付きのザック(=オスプレー製)を見てちょっぴり感動。
さて、12時44分に再出発すると、小屋から先のルートは舗装こそされていないものの普通の道と同じような状態であり、そこを塩沢分岐(12時53分)〜金明水神(12時59分)〜峰の辻分岐(13時10分)〜勢至平分岐(13時19分)とのんびり歩いて行く。
旧道馬車道分岐(13時27分)では時間より歩きやすさを優先させて馬車道を選択するが、途中、妻がトイレに行きたいと言い出してにわかにスピードアップ。旧道との合流地点(14時1分)〜烏川橋(14時3分)と足早に歩いて14時10分に無事山麓駅のトイレに到着するが、それだけ体力が残っているのなら最初からもっと速く歩けばいいのになあ。本日の総歩行距離は10.3kmだった。
ということで、恒例の日帰り温泉は岳温泉にある「ヘルシーパルあだたら」を利用するが、ホテルというより研修施設といった雰囲気の場所であり、大浴場もいたって普通。シルバーウィークの東北道は那須ICを過ぎると渋滞が目立つようになってきたため、黒磯板室ICで下りてからは下道を使って帰宅しました。