怪盗グルーのミニオン危機一発

2013年作品
監督 ピエール・コフィン、クリス・ルノー
(あらすじ)
孤児院育ちの3姉妹と一緒に暮らすことになったグルーは、泥棒稼業から足を洗い、実業家として新たな人生を歩み始めようとしていた。そんなある日、世界中の悪と闘う秘密組織「反悪人同盟」の北極基地が何者かに襲撃されるという大事件が発生。美人エージェントのルーシーによって無理矢理反悪人同盟の本部に連れてこられたグルーは、そこでスパイとして協力するように要請されるが….


「怪盗グルーの月泥棒3D(2010年)」の続編。

劇場公開時にかなり話題になった作品であり、映画館へ足を運ぼうかと半ば本気で考えていたのだが、試しにDVDで見てみた「怪盗グルーの月泥棒3D」があまり面白くなかったため、結局、映画館行きは中止。しかし、シリーズ最新作の「ミニオンズ(2015年)」ですっかりミニオン・ファンになってしまった我々夫婦にはやはり見逃せない作品であり、2年遅れで再チャレンジ!

ストーリーは「怪盗グルーの月泥棒3D」の忠実な続編であり、前半はグルーと3人の娘たちとの家庭生活の様子がほのぼのとしたタッチで描かれる。また、二作目となる本作の新たな要素として“グルーの結婚問題”が大きく取り上げられており、彼が女性嫌いになった過去の経緯や美人エージェントのルーシーとの恋の芽生えなどが面白可笑しく描かれている。

まあ、ひょんなことから“子ども”が出来たことによって寂しい独身男が“父親”になり、いつしかそれに“母親”が加わるという展開はファミリー映画の王道なのだろうが、問題なのはそれに時間をかけすぎてしまったところであり、正直、本作に登場する悪役とその悪事は前作と比べても相当魅力に欠ける。

邦題やCM等で大きく取り上げられているミニオンたちにしても、出番は限られており、我々同様、彼等のドタバタぶりを見るのを楽しみにしていた観客にとっては相当の期待外れ。まあ、最後の最後にケビン、スチュアート、ボブと思われる三人組が笑わせてくれるのでそう腹は立たなかったが、ミニオンが目当てならやはり「ミニオンズ」を見た方がずっと良い。

ということで、今回はDVDでの鑑賞だったために事なきを得たのだが、本シリーズの新作を映画館で見る際の大きな支障になるのが、日本語吹替えに起用される声優の問題。正直、どうしても笑福亭鶴瓶を外せないのであれば、字幕版の上映を是非とも省略しないで欲しいと思います。