四阿山

今日は、群馬県と長野県の県境上に位置する四阿山を妻と一緒に歩いてきた。

早朝からの山歩きに消極的な妻に無理を言い、午前3時に起床して4時前には自宅を出発しようとしたのだが、車に乗り込んで時計を確認すると時刻は何故かまだ午前1時前。どうやら俺のミスで目覚まし時計の設定を午前0時にしてしまったらしいのだが、もはや完全に目が覚めてしまっているために二度寝する気にもなれない。何とかヒマを潰して午前2時頃に自宅を出発し、5時前には登山口のある菅平牧場に着いてしまった。

まだ夜明け前なので座席のシートを倒して仮眠しようとしたが、かなりの強風を思われる風の音が気になってなかなか寝付くことが出来ない。しかし、周囲が明るくなるに連れて風の音もだんだん静かになってきたようであり、身支度を調えてから5時52分に駐車場を出発する。

標識に従って牧場沿いの広い道を歩いて行くと“四阿山登山口”と記された白いゲート(5時58分)があったので、それを潜って山道へ入る。しばらくは樹林帯の中の平坦な道を進んでいくが、渡渉(6時12分)の後、傾斜は次第に強まっていき、風よけに着ていたカッパの上を脱いでしまう。

樹木が疎らになったところで後ろを振り向くと、目の前には美しい雲海が広がっており、夫婦揃って思わず歓声を上げてしまう。その後も上り坂は続くものの、先日の瑞牆山金峰山のように山道が荒れていないのでとても歩きやすく、7時48分に着いた見晴しの良い岩場の小ピークで数人の先行者に交じって休憩をとる。

例によって山座同定は苦手なので、近くに居た方に教えを請いながら雲海に浮かんだ北アルプス八ヶ岳等の絶景を楽しむ。こんな天気の良い日に北アルプスを歩けたら最高の気分なんだろうが、おそらく懸案の槍穂縦走ルートには長い行列が出来ていて落石の危険性も高そう。今年はもう行けそうにないが、来年は何とか実現させたいなあ。

再出発後は、ちょっとだけ下ってからいよいよ山頂へと続く尾根へと取り付く。再び傾斜はきつくなるが、いつしかそれがなだらかになってくると山頂に近づいた証拠であり、根子岳分岐(8時49分)の手前からピョコンと突き出た山頂の様子が視認できるようになる。最後の階段を上っていくと、9時8分に四阿山(2354m)の山頂に着くことが出来た。

祠の先の岩場は決して広くはないものの、まだ登山者の姿は疎らであり、眺めの良さそうな所に陣取って大休止。残念ながら八ヶ岳方面にへばり付いた雲がなかなか取れず、そっちの方に見えるらしい富士山の姿を拝むことは出来なかったが、それ以外は文句の付けようの無い見晴しであり、雄大浅間山の姿を眺めながらゆっくり休憩を取った。

さて、妻が辛そうであればここからピストンで下山する予定だったのだが、まだ大丈夫ということなので、再出発(9時49分)後は根子岳分岐(10時4分)まで引き返し、ここを右手に入ってお隣の根子岳を目指す。山頂から見たときには簡単そうだったが、鞍部への激下りはなかなか終わりが見えない感じであり、何とか下りきったところ(10時48分)で再び一休み。

ここから根子岳山頂までの上り返しはちょっぴり大変そうだが、まあ、ここを上らないと家には帰れないということで、意を決して重い腰を上げる。幸い、上りの方が得意という妻のスタミナは十分に残っていたようであり、途中の岩場で小休止を挟んだくらいで11時41分に山頂(2207m)にたどり着く。

ちょうどお昼時ということで、広々とした山頂では多くの登山者が昼食を取っており、彼等に交じって我々も腹拵え。雲の量が増えてしまったため2時間前に居た四阿山の山頂さえ見えなくなってしまったが、上空には青空が広がっており、屋外でのんびり食事をするのには何の支障にもならない。

12時28分に下山に取り掛かるが、期待したとおり傾斜は緩やかであり、いつもなら下りを苦手とする妻も快調なペース(?)で進んで行く。紅葉により葉が黄色くなり始めたシラカバ林の中に続くルートはとても良い雰囲気であり、東屋(13時45分)を経て14時10分に駐車場まで戻ってくる。本日の総歩行距離は10.6kmだった。

ということで、高速道路に乗る前に「ふれあいさなだ館」に立ち寄って汗を流し、シルバーウィークの渋滞に巻き込まれることも無く無事帰宅。途中、定番の横川SAが満車状態だったため、藤岡PAのハイウェイオアシスを初めて利用してみたのだが、お店の数が多いのでとても便利であり、これからも利用させて頂くことになりそうです。