草紅葉に映える燧ヶ岳

今日は、妻と一緒に尾瀬の燧ヶ岳を歩いて来た。

ちょうど1年前、妻と一緒に歩くときのことを想定して下見を行ったところであるが、ようやくその成果を実地で活かす機会が到来。妻にとっては昨年の会津駒ヶ岳以来のロングコースになる予定であるが、先月にアヤメ平から眺めた燧ヶ岳の雄姿に魅せられたせいか、特に不安を口にすることもなく午前7時前に御池駐車場に到着する。

さて、身支度を整えて6時55分に出発。石のゴロゴロした地面は相変わらず泥濘んでいるものの、昨年の教訓を活かして今日は(雪道以外ではめったに付けたことのない)スパッツ着用のため無問題。妻にとって最初の関門となる段差の大きい岩場の斜面を急がず休まずのペースで歩き続け、7時53分に広沢田代に着く。

まあ、こちらの湿原は規模が小さいために妻の反応は鈍かったが、次の熊沢田代に着いたときには見頃を迎えた草紅葉と燧ヶ岳の絶景を目にして期待を上回る大歓声。中央のベンチ(8時55分)に腰を下ろし、持参した甘い梨をほおばりながらゆっくり体力の回復を図った。

その後、第二の関門と考えていた7合目の先のガレ場も急がず休まずのペースで何とか切り抜け、10時48分に俎グラに到着。おそらくここで妻からのギブアップ宣言が出るだろうと予想していたのだが、彼女の表情にはまだ余裕があるようであり、それならばということで登山者で混み合う岩場の斜面に突入し、11時27分に柴安グラに着く。

正直、ここまで来られるとは(7:3くらいの割合で)思っていなかったので、眼下に広がる尾瀬ヶ原の絶景を前にして夫婦そろって大感激。以前歩いたことのある至仏山やアヤメ平を眺めて、“これで尾瀬は完全制覇だね”と語らいながら持参した菓子パン等で空腹を癒やした。

さて、11時59分に下山に取り掛かり、俎グラ(12時29分)まで引き返してから12時57分にミノブチ岳。昨年の下見の際にはここから沼山峠のバス停まで2時間くらいだったが、本日の所要時間を確認するとここまで昨年の倍以上かかっているようであり、このままでは最終バス(17時10分発)に間に合うかちょっと微妙なところ。

仕方がないので傾斜が緩んできたところで妻に状況を説明してペースアップをお願いしてみたところ、突如、どこにそんな力が残されていたのかと驚くほどのスピードで歩き出し、15時ちょうどに大江湿原の分岐に到着。“な〜んだ、やれば出来るんじゃないの”という言葉をグッと飲み込んで、もうバスに乗り遅れる心配は無い旨を妻に伝えた。

さて、最後の関門と考えていた沼山峠越えの際にはストックを利用しての牽引アシストをして差し上げたが、結局、15時55分にバス停のある沼山峠休憩所にたどり着き、16時発のバスに乗車して御池駐車場まで戻ってくる。最後はちょっと焦らせてしまったものの、山頂からの絶景を夫婦して眺めることが出来たのはきっと良い思い出になると思う。

ということで、日帰り温泉に利用した「燧の湯」はちょっと混み合っていたが、ゆっくり汗を流してから無事帰宅。帰りの車中で次の目標について妻と協議したところ、やはり富士山に対する関心が強いようであり、何とか来年にはその希望を実現させてあげたいと思います。