熊野古道(第4日目)

今日は、新宮市にある速玉大社を参拝した後、列車を乗り継いで帰宅する予定。

当初の計画では割愛せざるを得なかった「速玉大社」だが、計画変更により昨日のうちに「那智大社」に参拝できてしまったので、急遽、訪問を決定。ザックに入っていた残り物の行動食で朝食を済ませてから紀伊勝浦駅に向かい、途中、勝浦漁港に寄り道してから“青春18きっぷ”を使って午前7時18分発の始発電車に乗る。

新宮駅からはバスも出ているのだが、歩いても15分と妻に告げると躊躇することなく徒歩を選択し、人通りの少ない町中を歩いて「速玉大社」に到着。上空にはきれいな青空が広がっており、社殿の鮮やかな朱色や樹木の深い緑と相まって、とても気持の良い空間を作り出している。

しかも、これでめでたく“熊野三山”をコンプリートすることが出来た訳であり、妻の体調(&ご機嫌?)を考慮しても、変更後の計画の方が当初のものよりずっとスマートだったような気がする。当然、これには妻も同意見であり、2回目の“青春18きっぷ”の旅を企画する上でとても良い経験になった(?)。

さて、その後は町中でお土産を購入する予定だったのだが、日曜日の早朝ということもあってお店がほとんど開いていない。ようやく見つけた「香梅堂」という老舗風の煎餅屋(?)に入って何点かお土産を購入するが、“あんまり熊野らしくないよね”というのが妻のコメントだった。

そこから駅に向かう途中、「浮島の森」という表示が目に入ったのでちょっと寄り道してみることにする。@100円の入場料を取られるのだが、話し好きの管理人さんの説明によると昔は(直径?)1kmくらいの大きな池に泥炭で出来た島が浮いており、それが風の力でフラフラ移動する様子が見られたとのこと。

戦後の食糧難のために池が埋め立てられてしまい、現在では島の回りを水路が取り囲んでいるようにしか見えないが、今でも大雨等で水位が上昇すればそれに伴って島も上下するそうであり、そんな講釈を伺ってから浮島に上陸。いろいろ珍しい植物も生育しているらしいが、植物オンチの我々にはその面白さが理解できず、10分程で島を一周してしまった。

その後、駅前の「café JOYFUL」という喫茶店で時間を潰し、10時52分発多気行の普通列車に乗り込む。ロングシートの各駅停車だが車窓からの眺めは素晴らしく、紀伊半島の海岸線の様子が良く見える。多気で乗り換えた快速みえ16号は、一部私鉄区間を走るために@510円の追加運賃が必要になるが、それでも新宮から名古屋まで5時間以上かかった。

ということで、名古屋から品川までは新幹線のぞみを使ってワープさせて頂き、18時30分品川発の快速アクティーに乗り換えて20時33分に宇都宮まで戻ってくる。3泊4日という久しぶりの長旅だったが個人的な評価はほぼ満点であり、完歩こそ出来なかったものの、熊野古道中辺路の魅力は十分堪能できたと思う。さて、次はどこを歩いてみましょうか。