水木しげる 魂の漫画展

今日は、妻一緒に宇都宮美術館で開催中の「水木しげる 魂の漫画展」を見てきた。

連日の猛暑により、山歩きの方は古賀志山への早朝散歩だけで済ませてしまい、遅い朝食の後、妻と一緒に涼しい美術館へ向かう。一応、娘にも声を掛けてみたのだが、水木しげるに対する思い入れはそれ程でもないらしく、どうぞお二人でとのつれない回答。まあ、このへんの世代間ギャップには如何ともし難いものがある。

さて、例によって会場は2つに別れており、第1会場では幼少時から「ゲゲゲの鬼太郎」等のヒットで人気漫画家になるまでの経緯が要領よく紹介されている。幼い頃から“絵を描くことに関しては神童”と言われていたそうであり、妻と二人して“やっぱり、偉くなる人は最初っから我々とは違うんだね”と感心することしきり。

一番面白かったのは、一時期、水木しげるのアシスタントを務めていたという池上遼一へのインタビュー映像であり、会場にも展示されていた「雪女」の作画はもっぱら彼が一人で担当したとのこと。また、水木は効果線等を引くのに決して定規は使わなかったとか、オチに悩んだときには近所に住んでいたつげ義春に相談していたという話も大変興味深かった。

第2会場では鬼太郎、悪魔くん河童の三平の“人気三大漫画”以外の作品が展示されており、特に自身の戦争体験に基づいた諸作品からは何とも言えぬ迫力のようなものが伝わってくる。しかし、それらの作品に対する当方の知識はいたって貧弱であり、やはり水木しげるが今でも高い知名度を誇っていられるのは、奥方の書かれた「ゲゲゲの女房」(とそのTVドラマ化)の功績によるところが大きいのだろう。

ということで、水木しげるの評価が高いことに関しては何の異論もないのだが、最期まで第一線で活躍をし続けた我らが横山光輝に対する死後の評価がいま一つパッとしないことがとても残念。ギレルモ・デル・トロあたりが妖艶なCGを駆使して「伊賀の影丸」を映画化してくれれば、彼の再評価は間違いないと思うんですけどねえ。