マグニフィセント・セブン

今日は、妻&娘と一緒に「荒野の七人(1960年)」のリメイク作品である「マグニフィセント・セブン」を見てきた。

先週は山歩きを娘に付き合ってもらったので、今週末は彼女が見たいと言っていた未鑑賞映画の在庫整理に協力することで取引成立。まずは興行的にも苦戦が続いている「マグニフィセント・セブン」であり、珍しく妻と一緒の早朝散歩(=古賀志山の山頂には雪が残っていた。)を済ませた後、娘を誘って映画館へ向かう。

さて、オリジナルの「荒野の七人」が黒澤の「七人の侍(1954年)」に比較的忠実だったのに対し、本作のストーリーにはオリジナルの設定やエピソードがふんだんに盛り込まれており、キャラクターの対応関係でも容易に類推可能なのはリーダー格のサム・チザム(=クリス=勘兵衛)とイ・ビョンホンが演じているビリー(=ブリット=久蔵)くらいのもの。

しかし、そういったアイデアが本作に新たな魅力を付け加えているかというと、正直、首をヒネらざるを得ないところであり、特にチザムがローズ・クリークの住人たちの力になろうと決意する際の動機に彼自身の私怨を絡めてしまったのは大失敗。あれでは何も知らされずに死んでいった仲間たちが可哀想過ぎるだろう。

また、いくら敵側に属するからとはいえ、鉱山を警備していただけの人々を問答無用に射殺してしまうのは如何なものかと思うのだが、まあ、そういった脚本上の数々の欠点にもかかわらず、久しぶりに見た“痛快娯楽西部劇”はハッキリ言ってとても面白い。う〜ん、何でこの作品が本国であまりヒットしなかったのかなあ。

ということで、上映時間は133分とオリジナル版の128分を上回っているのだが、風格というか、大作の雰囲気としては後者の方がずっと上。俺の中のジャンル分けでは“おバカ映画”に分類されてしまうのだが、それでも十分に面白いのは、黒澤の提示したコンセプトが決してスベることのない鉄板ネタであることの証明なのでしょう。