スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム

今日は、妻&娘と一緒にMCUシリーズの最新作「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」を見てきた。

第一期MCUシリーズ(=正式には“フェイズ3”というらしい。)は「アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年)」で幕を閉じたのかと思いきや、実は本作こそがシリーズ最終作との情報を耳にして何だか得したような気分。しかも、公開されるのが米国より早い“世界最速”ということで、期待に胸を膨らませながら映画館へ向う。

さて、ストーリーは、アイアンマンやキャプテン・アメリカ等がいなくなった“エンドゲーム後”の世界が舞台になっているのだが、高校生ピーターの目下の最大の関心事は学校が企画したヨーロッパへの研修旅行のこと。彼はこの旅行中、密かに思いを寄せているMJに対して恋の告白をするつもりなんだよね。

このトム・ホランド演じる3代目スパイダーマンの最大の特徴は、例の“大いなる力には~”というベンおじさんの“呪縛”にかかっていないことであり、本作でも“トニー・スタークの後継者”という周囲からの期待を持て余してしまい、彼から託された「E.D.I.T.H.」(=スターク・インダストリーズの全データベースや衛星兵器にアクセスする権限が付与されている!)を異次元から来たという新ヒーローのミステリオに譲り渡してしまう。

ところがこのミステリオっていう男がとんだクワセ者で…といった具合に展開するストーリーはとても良く出来ており、サノスのような大物ヴィランは登場しないものの、映像やアクションは迫力十分。それに青春映画的な明るさと観光映画的な華やかさが加味されているのだから見所は満載であり、前作に引き続き監督&脚本を担当しているジョン・ワッツ、クリス・マッケナ、エリック・ソマーズの3人組はとても良い仕事をしたと思う。

さらに、ポスト・クレジット・シーンでは、本作に登場するニック・フューリーとマリア・ヒルの二人が実はスクラル人の変装だったことが明らかになり、今回のストーリー全体がピーターに「E.D.I.T.H.」を受け取らせるための壮大な“FAKE”であった可能性さえ示唆される。実は、彼の“未熟さ=騙されやすさ”は本作のテーマの一つになっており、ひょっとすると“MJの好意”もニック・フューリーあたりの陰謀なんじゃないかと心配になってしまった。

ということで、正直、期待していた以上の快作であり、「アベンジャーズ/エンドゲーム」の後遺症的モヤモヤ感を見事に吹き飛ばしてくれた。何処かの宇宙空間で(?)謎の任務に従事しているニック・フューリーの姿を見せられると、第二期アベンジャーズの幕開けもそう遠い先のことでは無さそうであり、何だかとても爽やかな気分になって映画館を後にしました。