スパイダーマン:ホームカミング

今日は、妻&娘と一緒に「スパイダーマン:ホームカミング」を見てきた。

2作で打ち切りになってしまった「アメイジングスパイダーマン」の記憶がまだ鮮明に残っている中での新シリーズの幕開けということで、正直、“どうやってマンネリ化を防いでいるんだろう”みたいな少々後ろ向きの興味が先に立ってしまうのが困りもの。「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年)」では若々しいメイおばさんの姿に驚かされたが、まさかあれだけじゃないだろうと思いながら映画館へ。

さて、ストーリーは、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」に参加してトニー・スタークお手製の高性能スーツを手に入れたピーター・パーカーの前に、異星人の技術を利用したハイテク武器を売りさばく謎の集団が現れるというもの。ピーターとしては、一日も早くアベンジャーズの正式メンバーとして招聘されることを心待ちにしているのだが、さすがのトニー・スタークもまだ高校生のピーターに無理はさせられないと考えているらしい。

そんな訳で、ピーター・パーカーはスクリーンに登場した時点で既にスパイダーマンであり、蜘蛛に噛まれるシーンはもちろん、ベンおじさんが非業の死を遂げるシーンも出てこない。そのためにお約束の“大いなる力には、大いなる責任が伴う”という重〜いメッセージも省略されてしまっているのだが、正直、“軽さ”が身上のニュー・スパイディにとっては賢明な選択だろう。

それに代わって描かれているのは“アベンジャーズが現実である世界における庶民の姿”であり、うん、こういった視点は主人公が15歳の高校生に過ぎない本シリーズにピッタリ。本作のヴィランであるバルチャーの正体は、「アベンジャーズ(2012年)」のニューヨーク決戦で遺棄されたチタウリの残骸を再利用することを思い付いたしがない廃品回収業者であり、ピーターが思いを寄せる学校の上級生の父親でもあるんだよね。

これ以外にも、スターク社が理系の学生たちの就職先として大人気だったり、高校の授業で使われている説教臭いビデオ映像に出演しているのがキャプテン・アメリカだったりとアベンジャーズ・ネタがいろんなところに使われており、それが本シリーズの新たな魅力の一つになっていると思う。

ということで、鑑賞後、やはり大満足気な娘とも話したのだが、現時点で考えられるスパイダーマン物としては最善の一作であり、これといって不満なところは見当たらない。後は、主演のトム・ホランドがオジサン臭くなる前にシリーズ作品を撮り終えることを祈るばかりであり、一日も早い続編の公開をお待ちしています。