スパイダーマン:スパイダーバース

今日は、妻&娘と一緒にアニメ映画の「スパイダーマン:スパイダーバース」を見てきた。

「ヴェノム(2018年)」の劇場公開時に本作の特別映像をオマケで見せてもらって以降、娘と一緒に公開されるのを首を長くして待っていた作品。CM等の少なさからして、「グリーンブック(2018年)」のようにアカデミー賞効果を狙っていたとは考えられず、何故3ヶ月も待たされなければならなかったのか皆目見当がつかないまま映画館へ。

さて、ストーリーは、ピーター・パーカー亡き後、新たにスパイダーマンの能力を手に入れた13歳の黒人少年マイルス・モラレスの苦悩と成長を描いているのだが、そんな彼の前に現われるのが別の次元から飛ばされてきた5人の“スパイダーマン”。ピーターの遺志を継ぎ、そして5人の仲間を元の次元に送り返すためにも、マイルスは一人前のスパイダーマンになろうと奮闘するのだが…

要するに、SFではお馴染みの多元宇宙論を取り入れたストーリーになっており、各次元には必ず一人のスパイダーマンが存在するらしい。しかし、そのキャラクターは各次元の世界観に応じてハードボイルド調からロボット・アニメまで様々であり、さらにはその作画スタイルまで異なっているというのがとても面白い。

まあ、ネタをバラしてしまえば、これまで多くのライターやアーティストによって生み出されてきた様々な“亜流”スパイダーマンたちを全て一本のシリーズに取り込んでしまおうというアメコミならではの大胆な試みであり、それを違和感なく可能にしているのが手書きアニメとCGアニメを組み合わせたような何ともユニークなグラフィック。

技術的なことは全く分らないが、優れたアーティストの描いたアメコミのキャラクターがそのまま動き出すような不思議な感覚であり、様々な作画スタイルで描かれたキャラたちが同じ背景の中で動き回る様子はまさに驚異的。勿論、スピーディーなアクションや鮮やかな彩色も天下一品であり、これまでに見てきたアニメ映画の中では間違いなく一番格好良い。

残念ながら宣伝不足のせいもあって今日の館内はガラガラだったが、世界的な評価は極めて良好のようであり、続編が製作されるのはまず間違いのないところ。多元宇宙論のおかげでストーリーのアイデアは無限に広がっている訳だが、出来ればスパイダーグウェンだけはレギュラーで出演して欲しいなあ。

ということで、鑑賞後の娘の評価も大絶賛の嵐であり、ストーリー、アクション、グラフィックともに最高だったとのこと。我が国の一部には、“クール・ジャパン”などといっていまだに和製アニメが世界の最先端にあると信じ込んでいるお年寄りも多そうだが、そんな方々は、是非、本作を見て腰を抜かして頂きたいと思います。