ヴェノム

今日は、妻&娘と一緒にSUMC(Sony’s Universe of Marvel Characters)の第一弾である「ヴェノム」を見てきた。

決してサボっていた訳ではないのだが、このところ興味を惹かれるような作品の上映が無かったため、映画館を訪れるのも一月半ぶり。娘の話によると、ヴェノムというのは「スパイダーマン・シリーズ」に登場するヴィランの一人らしいのだが、MCUでは、現在、スパイダーマンはサノスによって消されてしまったことになっており、それとの整合性は図られているのだろうかと考えながら映画館へ。

さて、ストーリーは、違法な人体実験の疑いがあるライフ財団を告発しようとして、逆に職と恋人を失ってしまった失意のジャーナリスト、エディ・ブロック(トム・ハーディ)が、ひょんなことからライフ財団が密かに持ちこんでいた地球外生命体シンビオートに“寄生”されてしまうというもの。

こうして出来上がった怪物がヴェノムなのだが、どうやら彼はシンビオートの中でも落ちこぼれだったようであり、何故かすっかり気に入ってしまった新天地の地球を救うため、寄生主のエディと協力して地球征服を企むシンビオートのボス、ライオットに闘いを挑むことになる…

正直、脚本はかなり粗々であり、同じマーベル・コミックの映画化であっても細かいところまで配慮の行き届いたMCUとは大違い。何の見せ場もなしにヴェノムの弱点をバラしてしまうのはあまりにも芸がなく、また、映像面においてもアッと驚くようなシーンはほとんど見られない。おそらく予算面でもMCUとはヒト桁くらい差があるのではなかろうか。

しかし、そんな弱点を補って余りあるのが主演を務めたトム・ハーディの魅力であり、どう見ても社会派ジャーナリストには見えないところを含め、とてもイイ感じ。MCUのダメ男と言えばアントマンの中の人だろうが、こちらは元々の設定がヴィランだったということもあり、ダメさ加減では一枚上手。ブツブツ独り言(?)を言いながらアクションを繰り広げる様は、まるで「ダイ・ハード(1988年)」のマクレーン刑事みたいだね。

ということで、結局、スパイダーマンは名前すら登場せず、ヴェノムは最初からヒーローの立場で大活躍。MCU とは完全に別の路線で行くらしいが、何年か後、ネタに困ってくればMCU 、SUMC(それに上手くいけばDCEUも!)入り乱れての大混戦が実現するかも知れず、まあ、それがアメコミの世界っていうものでしょう。