バーフバリ 伝説誕生

2015年作品
監督 S.S.ラージャマウリ 出演 プラバース、ラーナー・ダッグバーティ
(あらすじ)
赤ん坊の頃、謎の貴婦人の手に乗せられて滝の上の世界から流れ着いたシヴドゥ(プラバース)は、逞しい青年に成長してからも滝の上の世界に興味津々。何度も失敗を繰り返した後、ようやく滝の上に出ることに成功するが、そこではマヒシュマティ王国のバラーラデーヴァ王(ラーナー・ダッグバーティ)の圧政に苦しむ旧クンタラ王国の民が自分たちの王妹を救い出そうとしていた…


先日見た「バーフバリ 王の凱旋(2017年)」の前編。

妻&娘と一緒に後編を見てから2週間が経つのだが、娘と俺の“バーフバリ熱”は一向に冷める気配はなく、何か機会のある度に“インド、凄い”を繰り返す毎日。個人的には、前編は映画館のスクリーンで見られる日が来るまで封印しておくつもりだったが、ことバーフバリに関しては娘の意向に反する訳にもいかず、彼女の要求を容れてDVDで鑑賞することになった。

さて、実をいうと後編を見たときに前編の“あらまし”みたいなものを一緒に見ているので、ストーリーはほぼ予想していたとおり。何も知らずに見ていたら、いきなり鬼の形相で現れるシヴァガミに腰を抜かしていたかもしれないが、まあ、結果が分かっているため、そのへんのインパクトが弱められてしまったのは仕方ないところ。

しかし、後編のラストでバラーラデーヴァを焼き尽くすことになる枯れ枝が、実は囚われの身になっていたデーヴァセーナが20数年間かけて毎日少しずつ集めていたものであったことが判るなど、思わず膝を打つような発見も含まれており、見ていて退屈するようなことは一瞬たりとも無い。

そして、やはり大勢のエキストラを起用しての大規模なアクションシーンは圧倒的迫力であり、蛮族カーラケーヤとの戦闘シーンは前後編を通じての最大の見せ場の一つ。似たようなシーンは「ロード・オブ・ザ・リング」三部作等でも見たことはあるが、やはりCGのみならず、実写を多用したインド映画ならではの映像は迫力満点であり、ピーター・ジャクソンが見ていたらさぞかし悔しい思いをしただろう。

ということで、唯一の心残りはやはり映画館のスクリーンで見たかったなあというものであり、前後編を一気に見せられたらそれだけで体重数キロ分くらいのダイエット効果がありそう。残念ながら続編の構想は無いらしいが、S.S.ラージャマウリ監督におかれましては、引き続きインド映画界でハリウッドの度肝を抜くような作品を撮り続けて欲しいと思います。