バーフバリ 王の凱旋

今日は、妻&娘と一緒にインド映画の「バーフバリ 王の凱旋」を見てきた。

ツィッター等で話題になっていたのは知っていたが、知的雰囲気が乏しそうなことから見送りの方向で考えていたところ、おバカ映画に目の無い娘から鑑賞希望が出されてしまって吃驚仰天。地元のシネコンでは26日で上映が終了してしまうが、新宿ピカデリーならまだやっているということで、ちょっぴり悩んだ末、東京見物のついでに(?)見に行くことにした。

さて、ストーリーは、マヒシュマティ王国の王バラーラデーヴァによって父親を殺され、孤児として育てられた青年シヴドゥが、父の仇を討って新国王の座につくというものであり、本来、国王になるべきなのはバラーラデーヴァではなく、シヴドゥの父バーフバリだったという事情があるために“王の凱旋”という題名が付けられている。

実をいうと、本作は二部構成の後編であり、上映時間の大半は父バーフバリの超人的な活躍と彼がバラーラデーヴァによって殺害される経緯を描くことに費やされているのだが、シヴドゥとバーフバリとは瓜二つであり(=実際、同じ俳優さんが演じている。)、シヴドゥの本名もバーフバリなので何の問題もない(?)。

しかし、そんな細かいことはどうでも良い話であり、本作の凄まじいパワーは映画館の大スクリーンで実際に“体験”してみないと到底理解不能。我等が英雄バーフバリは最初から最後までエンジン全開のまんまであり、どのような試練が降りかかってきても一瞬たりとも躊躇することはない。

正直、ストーリー展開はかなり強引であり、凡庸な監督の手に掛かれば物笑いの種にしかならないところだろうが、S.S.ラージャマウリ監督は本作を神話のレベルにまで昇華させることに成功しており、その圧倒的なパワーの前ではご都合主義などという批判は何の力も持たない。

そして、おそらくこのパワーはインドという国の現在の“国力”に根ざしたものであり、アベノミクスのおかげで息も絶え絶えな我が国は勿論のこと、欧米においてもマネすることは不可能なんじゃなかろうか。鑑賞後、異様な熱気に包まれたままの映画館の中で、娘と一緒に“インド、スゴい”を繰り返し口にする結果となった。

ということで、冗談半分で見てみた作品であるが、その圧倒的な迫力はザック・スナイダーにラージャマウリ監督の爪の垢でも煎じて飲ませてあげたくなるくらいであり、是非、第一部、二部の同時上映会を開催して欲しい。本作以外にも、現在「Padmaavat」という作品が全米で絶賛公開中であり、しばらくはインド映画から目が離せそうにありません。