マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章

2015年作品
監督 ジョン・マッデン 出演 ジュディ・デンチマギー・スミス
(あらすじ)
英国から訪れた老人たちもすっかりインドでの生活に慣れ、マリーゴールド・ホテルは今や常時満室の状態。恋人スナイナとの結婚を目前に控えた若きオーナーのソニーは、共同マネージャーになったミュリエル(マギー・スミス)を伴って渡米し、新館オープンのための資金獲得を目指すが、スポンサー側から出された条件の一つは匿名の監査人による隠密調査を受けることだった…


以前、DVDで見た「マリーゴールド・ホテルで会いましょう(2011年)」の続編。

本来は、この作品を映画館で見るための事前学習として前作のDVDを拝見した訳であるが、残念なことに近場の映画館における本作の上映は見送られてしまったようであり、こちらもDVDで鑑賞することに…。まあ、いつものことではあるが、市内のシネコンの一部屋分くらいはミニシアター系の作品を上映してくれないものだろうか。

さて、ストーリーは完璧に“前作の続き”であり、おそらく前作を見ていないと本作の内容の半分も理解できないだろう。恥ずかしながら、前作DVDを見てから1年8ヶ月しか経っていない俺でも、登場する各老人たちが何を求めてインドにやって来たのか等、記憶は既に曖昧であり、正直、見ていて戸惑うことも少なくなかった。

また、群像劇の宿命なのだろうが、一つ一つのエピソードが細切りにされてしまうため、せっかく実力派の俳優陣を揃えておきながら、彼等の演技をじっくり楽しむだけの時間的余裕が確保されていないのが残念至極。初参戦となるリチャード・ギアの出番もあまり多いとは言えず、ソニーの母親役の女優さん以外との絡みがほとんど無いのはあまりにももったいないなあ。

一方、お目当てだったマギー・スミス扮するミュリエルは、最初の頃こそ出番は多かったのだが、途中から裏方に回ってしまい、お調子者のソニーの面倒を見る以外、何をやっているのか良く分からない。最後には、スポンサーのトップから突然の表敬訪問を受けるのだが、取って付けたような印象であり、あまり感動はしなかった。

ということで、ストーリー的には少々物足りなかったものの、前作でリタイヤしてしまったペネロープ・ウィルトンも顔を見せてくれる等、英国の名優の方々をまとめて鑑賞できるのはやはりなかなか楽しいもの。出演者の健康状態さえ許せば、ストーリー的にはさらなる続編の製作も可能であり、出来ればもう一本くらい頑張って欲しいところです。