ノートルダムの鐘

1996年作品
監督 ゲイリー・トルースデール、カーク・ワイズ
(あらすじ)
15世紀のパリ。判事のフロローはジプシー狩りの最中に自ら死に追いやった女性の遺児を引き取り、その醜い容姿からカジモドと名付けてノートルダム大聖堂の鐘楼に彼を幽閉する。それから20年後、成長したカジモドは大聖堂の鐘撞き男として独りぼっちで暮らしていたが、ある日、下界で行われている祭りの楽しそうな様子に我慢ができなくなり、フロローに無断で大聖堂を抜け出してしまう…


ユゴーの「ノートルダム・ド・パリ」をミュージカル風に仕立て上げたディズニーアニメ。

今月17日に劇団四季の「ノートルダムの鐘」を見に行く予定になっているため、その事前学習として鑑賞。いつもなら英語版で見るところだが、妻&娘が一緒なのと吹替えを劇団四季が担当しているということから、日本語版での鑑賞となった。

さて、カジモドにフロロー、エスメラルダ、フィーバス(=潮出版社版の原作ではフェビュス)といった主要登場人物は原作と同じであるが、ミュージカル用にストーリーを単純化するためキャラクターを相当いじっており、司教補佐から判事へと職業まで変えられてしまったフロローは最初から冷酷無比な悪役として登場する。

一方、彼の恋敵となるフィーバスは、美男子の護衛隊長という設定はほぼ原作どおりだが、フロローによって迫害を受けるジプシーに同情的な正義漢として描かれており、婚約者も不在らしい。したがって、エスメラルダへの愛情はホンモノであり、最後はカジモドの活躍によってフロローの魔の手から救い出された彼女と結ばれて無事ハッピーエンド。

まあ、このラストの変更はディズニーアニメらしいところなんだろうが、全体的には“お子様向け”といった印象は希薄であり、ヒロインのエスメラルダにしても原作のような幼さの残る少女としてではなく、姉御肌の成熟した女性として描かれているのがちょっと意外。ヤギのジャリもキャラ化されていない普通のヤギだった。

ということで、アラン・メンケンによる楽曲はエンディングテーマの“Someday”を含めて全部で9曲。正直、日本語の歌詞で歌われるとメロディラインが素直に頭に入ってこないため、オープニングテーマの“The Bells of Notre Dame”以外で特に印象に残った曲は無かったのだが、事前学習としてはこれで十分であり、6月17日の劇団四季のステージを楽しんで来ようと思います。