鬼が面山のヒメサユリ

今日は、妻と一緒に福島県新潟県の県境にある鬼が面山を歩いてきた。

最近、何かと雑用(?)が立て込んでおり、前売り券を買って楽しみにしていた劇団四季の「ノートルダムの鐘」もまさかのドタキャン。ストレスもかなり溜まってきたので、平日に休みを取って浅草岳のヒメサユリを見てくることにしたのだが、計画を妻に話したところ彼女も一緒に行きたそうな雰囲気であり、急遽、目的地を鬼が面山に変更して午前7時半前に六十里越トンネルの先にある駐車場に着く。

平日ということで駐車場にはまだ十分余裕があり、身支度を整えて7時32分に出発。駐車場の先、車道の右手にある登山口から山道に入るが、梅雨時らしい曇天と高い湿度のせいで湿った土の急斜面は滑りやすく、それに羽虫の襲来が加わって気分はイマイチ。楽しみにしていた山野草の花々もほとんど見当たらない。

尾根上の分岐(8時1分)を左に入ってもしばらくは同じような状況が続くが、巨大な反射板(1125m。8時43分)の先からは傾斜も収まり、広くなった山道の両側にはタニウツギタムシバの花が見られるようになる。9時4分に着いた分岐の先でも比較的傾斜は緩やかであり、イワカガミやカタクリの花が咲くなかを進んで9時55分に南岳(1354m)。

依然として羽虫の襲来は続いているが、上空は青空が広がりそうな気配を見せており、目の前に聳える浅草岳の姿を眺めながら1回目の大休止。お手製のおにぎりとキュウリの漬け物(=娘が作ってくれたのだが、これが絶品!)で空腹を満たしてから先に進むと、いよいよお待ちかねのヒメサユリとのご対面であり、ピンクといっても決して派手ではなく、どこか落ち着いた佇まいを見せてくれるその立ち姿は浴衣美人を思わせる。

やせ尾根上ということでお花畑的な雰囲気は無いが、ヒメサユリ以外にもゴゼンタチバナやアカモノ、ベニサラサドウダンといった花がたくさん咲いている。時々足が止まりそうになる妻もそれらの花々から勇気をもらって(?)、10時57分、なんとか本日の最終目的地である鬼が面山(1465.1m)にたどり着く。

目前に迫った浅草岳まではあと2時間も掛からないだろうが、日頃の鍛錬を怠ってきた我々夫婦にはこれが限界であり、“もったいないね”と声を掛けてくださった見知らぬおじさんを見送って本日2回目の大休止。すっかり広がった青空のおかげで湿度は急激に低下したらしく、羽虫の数が激減してくれたのがとても有り難い。

さて、再出発(11時22分)後は往路を引き返すだけであり、南岳山頂と反射板のところでの休憩を挟みながら、南岳(11時57分)〜分岐(12時37分)〜反射板(12時52分)〜分岐(13時41分)と歩いて14時7分に駐車場まで戻ってくる。本日の総歩行距離は9.4kmであり、地面が乾いてくれたおかげで復路はとても歩きやすかった。

ということで、途中「季の郷 湯ら里」で汗を流してから無事帰宅。登山口まで遠いのが欠点だが、それを除けばなかなか魅力的な山域であり、機会があれば今回足の届かなかった浅草岳まで是非歩いてみたい。その際は田子倉〜浅草岳〜六十里越の周回コースになる予定だが、六十里越トンネル内には歩道部分が整備されていないため注意が必要です。