LOGAN/ローガン

今日は、妻&娘と一緒にヒュー・ジャックマンによるウルヴァリン3部作の最終作「LOGAN/ローガン」を見てきた。

ウルヴァリンに対する個人的評価はX-MENのメンバーの中でも決して高いとはいえず、「ウルヴァリン:X-MEN ZERO(2009年」や「ウルヴァリン:SAMURAI(2013年)」は未見のまんま。しかし、予告編から伝わってくる本作の雰囲気はこれらの作品とは全く異質のものであり、本気のウルヴァリン(?)に会えるかもしれないという期待を胸に映画館へ向かう。

さて、本作の舞台になるのは新たなミュータントが生まれなくなって久しい2029年の近未来。自分と同じ能力を有する少女ローラと出会ったローガンは、彼女を殺害しようとする一味から逃れるために彼女とボケが始まったプロフェッサーXを車に乗せて旅に出るのだが、ご自慢のヒーリング・ファクターが弱まりつつあるローガンに往時の勢いは見られず、どこかしみじみとした雰囲気に包まれたまま物語は進んでいく。

もちろん、要所に挿入されるアクションシーンは(R-15指定ということで)いつにも増して過激であり、他方、ローガンが老眼になるという日本人限定のギャグ(?)の他にも観客をクスッと笑わせてくれるシーンが少なからず登場するのだが、自らを含んだミュータントの未来に絶望しているローガンの心の闇は深く、せっかく差し出されたローラの小さな手も振りほどいてしまう始末。

そして、そんな彼を救わんとするプロフェッサーXの最後の教えが“家族のぬくもり”であり、死の直前になってようやくそれを味わうことの出来たローガンの最期はもう号泣必至。実は、彼のお墓に積まれた小石がコロコロと転げ落ちるラストをちょっぴり期待していたのだが、そんな未練を断ち切るかのように十字架を傾けて“X”にして見せた潔さも見事であり、“これで本当に終わりなんだなあ”という感慨にひたりながら映画館を後にした。

ということで、ブライアン・シンガーがひっちゃかめっちゃかにしてくれたX-MENシリーズを、この一本できれいに締めくくったジェームズ・マンゴールド監督の手腕は高く評価されるべきだろう。なお、マグニートーとミスティ−クの最期もちょっぴり気になるところだが、まあ、彼等には立派な跡継ぎがいるのでウルヴァリンの物語のようにスパッと終わらせるのは難しいのかもしれません。