レゴバットマン ザ・ムービー

今日は、妻&娘と一緒に「レゴバットマン ザ・ムービー」を見てきた。

ライバルはアカデミー賞の作品賞に輝いた「ムーンライト(2016年)」だったのだが、前作の「LEGO(R)ムービー(2014年)」(=傑作!)を映画館で見なかったことを未だに後悔しているくらいなので、今回ばかりは見逃す訳にはいかない。例によって字幕版での上映が無いことは不満だが、まあ、この点に関しては最早諦めるしかないのだろう。

さて、ストーリーはジョーカー率いるスーパー悪役軍団(=ヴォルデモート、サウロンキングコンググレムリン等々)とバットマンとの死闘がメインになっているのだが、その背景に厳然として存在しているのがバットマンの“心の闇”。まあ、アメコミシリーズの読者にとってはお馴染みのことなのだが、本作ではそんな原作の重〜い設定を痛快に笑い飛ばしてくれている。

娘に言わせれば“サイコパス”の一言で片付けられてしまうのだろうが、確かにバットマンのキャラには性格破綻の兆候が多々見受けられ、それが“ダークナイト”たる所以となっているのだが、本作ではそれが徹底的に笑いのネタにされており、驕慢さと卑屈さとの間で揺れ動く中年男の哀しさが、正直、見ていてとても面白い。

ラストで描かれる宿敵ジョーカーとの“友情”はバットマン・シリーズの根幹に関わる壮大なネタバレであり、営業妨害と非難されても仕方がないような結末なのだが、まあ、裏を返してみれば、どんなことがあってもバットマンの魅力に傷が付くはずは無いという絶大な自信の現れでもあるのだろう。

ということで、ザック・スナイダーに遠慮して(?)ジャスティス・リーグの活躍が見られなかったのはちょっぴり残念だが、レゴの世界観を見事に取り入れたシナリオは相変わらず良く出来ている。唯一最大の欠点はロビンの吹替えであり、担当芸人の存在を忘れよう、忘れようと思いながら見ているところにくだらない持ちネタをぶっ込んでくるのは、もう、暴力以外の何ものでもありません。