ドント・ブリーズ

2016年作品
監督 フェデ・アルバレス 出演 ジェーン・レヴィ、ディラン・ミネット
(あらすじ)
荒廃の進むデトロイトでコソ泥を繰り返すマネー、アレックス(ディラン・ミネット)、ロッキー(ジェーン・レヴィ)の若者三人組。郊外に住む盲目の老人が交通事故で亡くした娘の多額の示談金を自宅に隠し持っているという情報を入手した彼等は、ある晩、その家に押し入るが、そこに住んでいた老人は盲目とはいえ強靱な肉体と精神の持ち主であり、その思わぬ反撃に遭った彼等は…


昨年、アイデアが秀逸ということで一部で話題になった低予算ホラー映画。

ホラー映画は大の苦手であり、出来るだけ見ないように心掛けてはいるのだが、本作の高評価を聞いて好奇心がムズムズ。一人で見るのは怖いので、やはり怖がりの娘に一緒に見てもらえないかお願いしてみたところ、彼女も本作の評判は耳にしていたようであり、二人して息を凝らして鑑賞。

さて、その老人が住んでいるのは空き家が建ち並ぶ郊外の住宅地であり、多額の現金を隠し持っているために彼の家のドアや窓には沢山の鍵や鉄格子が付けられているし、盲人ということで頼りになるちょっと凶暴な盲導犬も飼っている。

そんな治安の悪いところからはさっさと引っ越してしまえば良いじゃないかとか、今さらそんな大金を抱えていたって仕方がないじゃないかというような意見も聞こえてきそうだが、その老人には彼なりの大きな“夢”があることを知れば、そんな疑問にもすべて納得出来てしまう。

そこに、老人がイラク戦争に従事した元軍人であるという設定が加われば、3人の若者が密室化された屋敷の中で“盲目の殺人マシーン”とその飼い犬に追い回されるという本作の異常とも思えるシチュエーションは、見事な説得力を持って我々の前に出現するところであり、うん、このへんの設定はとても上手く出来ているなあ。

残念だったのは、終盤、“やられたと思ったら復活”の繰り返しになってしまうところであり、もっと手短に切り上げて90分くらいの作品にしてしまえば良かったのにと思ったのだが、見終わってから確認した本作の上映時間は88分。う〜ん、やっぱりこのアイデアだけで一本の長編映画に仕上げるのはちょっと難しかったのかなあ。

ということで、個人的には紅一点のロッキーちゃんが無事だったのはとても嬉しいのだが、殺人マシーンの方もしぶとく一命を取り留めたという最後のニュースがちょっと気掛かり。盲導犬を連れた殺人マシーンによるロッキー姉妹の追跡劇は、やはり避けられないものなのでしょうか。