月刊フラワーズ7月号を購入

萩尾望都の名作「ポーの一族」の続編が40年ぶりに発表されるというニュースを聞いたのはいつの頃だったろう。その新作が掲載される月刊フラワーズ7月号がようやく先月末に発売されることになり、軽い気持ちで娘に購入を依頼しておいた。

ところが、市内の主だった書店を探してくれたという彼女からの報告は“どこも売切れ”であり、慌てて調べてみたAmazonでは中古品(?)にプレミア価格が付けられている始末。さらには、娘からの指令で某書店を訪れた妻が店員さんに月刊フラワーズの在庫を確認したところ、園芸関係のコーナーを案内されたというオチまでついて、「ポーの一族」の人気の高さを改めて思い知らされるとともに、この時点で雑誌の購入を断念。

そんなところへ飛び込んできたのが漫画雑誌としては異例という重版決定のニュース。発売予定日は6月11日であり、昨晩のうちに娘に再度購入をお願いしておいたところ、谷川連峰主脈縦走の最中、エビス大黒避難小屋に着く直前に、娘から“買えたよ!”という嬉しい報告が表紙の画像付きで届いた。

帰宅後の娘からの話によると、近所のTUTAYAにはわずか2冊しか入荷しなかったそうであり、開店前から待っていた娘とその次の中年女性が買っただけであっという間に完売。しかし、肝心の雑誌の内容はその苦労に十分報いることの出来るレベルであり、お目当ての続編「春の夢」は新たなる名作の誕生を期待させる素晴らしい滑り出し。

その他にも、萩尾望都山岸凉子の対談は掲載されているし、「トーマの心臓」の前日譚と後日譚を収めたブックレットまで付いてくる。まあ、「訪問者」の方は単行本で持っているのでそんなに嬉しくないが、これだけ充実した内容で価格が590円というのは驚異的であり、出版業界にもまだ良心が残されていることを知って少しだけ嬉しく思った。

ということで、「春の夢」にいきなりアランが出てくるので吃驚してしまったのだが、よく考えてみれば新作の舞台は1944年であり、彼が“消滅”してしまう30年以上昔の話。確かに、殺伐とした21世紀にはさすがのエドガーも居場所を見つけることができなかったのでしょう。