マネーモンスター

今日は、妻&娘と一緒にジョディ・フォスターが監督を務めた「マネーモンスター」を見てきた。

個人的には「エクス・マキナ」か「教授のおかしな妄想殺人」の方に興味があったのだが、前者を上映してくれる映画館は近場に無いし、後者に関しては“ウディ・アレンはアタリハズレが大きい”という娘の意見を尊重させて頂いて本作に決定。まあ、ジョージ・クルーニージュリア・ロバーツも嫌いな俳優ではないから特に不満はない。

さて、ストーリーは、TVの投資番組のおススメ株を購入して失敗し、全財産を失った男が銃と爆弾を持ってその番組をジャックするというもの。動機から推察するとかなりおマヌケな男のようであるが、爆弾には自分が射殺等されれば爆発するような仕組みを施しており、馬鹿なのか利口なのか分からないギャップにちょっとだけイライラ。

また、人質のジョージ・クルーニーがそう簡単に死ぬ訳はないので、サスペンス感がいまいち盛り上がらないのだが、この点に関してはジョディ・フォスターも十分承知の上であり、ぬるめのギャグを随所に配することにより、ヒリヒリするような緊迫感ではなく、気楽に楽しめるエンターテインメント路線を狙っているらしい。

まあ、そのせいもあってなんだろうが、“マネーゲームに興じる現代社会への警鐘”的な意味合いは希薄であり、結局、一投資家の不正みたいなチンケな結末でお茶を濁してしまったという印象。ジョディ・フォスターの監督作品を見るのはこれが初めてなのだが、これが彼女の目指しているものなんだろうか。

ということで、本作で一番面白かったのは、犯人が買った株の価格を回復させるためにTVを通して全世界の投資家に当該株の購入を訴えるシーン。本作ではものの数分で失敗に終わってしまうのだが、ここの部分をもっと膨らませ、ジョージ・クルーニーの必死の訴えがハチャメチャにエスカレートしていくところを見せて欲しかったと思います。