宝塚花組「ポーの一族」千秋楽ライブ中継

今日は、妻&娘と一緒にTOHOシネマズで行われた宝塚花組ポーの一族」千秋楽公演のライブビューイングを見てきた。

宝塚については、これまでも何度か我が家の話題に上がっていたのだが、正直、何処から手を付ければ良いのか分からずに二の足を踏んでいた。そんなところへ飛び込んできたのがこのライブビューイングに関するニュースであり、原作は良く知っているし、それを近場で見られるということで、抽選で当たったチケットを握りしめて映画館へ向う。

さて、ストーリーは、エドガーとアランが初めて出会う「ポーの一族」がベースになっており、それに「メリーベルと銀のばら」等を短くアレンジしたプロローグと「小鳥の巣」の導入部を描いたエピローグが付いているっていう感じかな。短時間のうちに『ポーの一族』シリーズの世界観を要領よく説明しており、このへんのお手並みはさすがだと思う。

脚本は予想していたより萩尾望都の原作に忠実であり、唯一のオリジナルと思われる降霊会のパートを除き、ほとんどマンガでおなじみのシーンばかり。娘役トップと思われる女優さん(?)の演じているのが男爵夫人シーラの方なので、メリーベルの見せ場が少なくなっているところがちょっと残念だが、まあ、全体的に大きな不満は無い。

問題なのは演出であり、大勢の出演者や専用劇場ならではの大規模な舞台装置等、宝塚ならではの魅力を見せつけてくれているのだが、鑑賞後、娘が語っていたように“宝塚の圧”が強すぎるため、原作の持つ儚さや幽玄さといったイメージは木っ端微塵に吹き飛ばされてしまっている。

まあ、大仰な台詞回しにしろ、通俗的な音楽にしろ、これが宝塚なんだから仕方がないと言われてしまえばそれまでなのだが、最初から最後までハイテンションの状態が持続するというのは我々のような初心者にとって大きな負担であり、正直、見終わったときにはかなりの疲労感を覚えた。

おそらく宝塚ファンの皆さんにとってみれば、本公演の主役はエドガーではなく、エドガーを演じていた明日海りおという俳優さん(?)の方なのだろうが、その感覚を共有するためにはまだまだ修行が必要のようであり、う〜ん、体力的な面からいっても少し難しいかもしれないなあ。

ということで、フィナーレの後、この公演を最後に宝塚を卒業する方々の紹介が行われている最中に会場を抜け出すことになってしまったのだが、鑑賞後の印象は三者三様であり、満足度の順番でいうと妻→娘→俺っていうところ。これが面白かったら実際の舞台を見に行くつもりだったのだが、まあ、少なくとも俺から言い出すようなことは無いと思います。