谷川連峰主脈縦走

今日は、梅雨の晴れ間を利用して“谷川連峰主脈縦走コース”を歩いてきた。

装備等は先日の日光表連山縦走と同じということで何の問題もないのだが、今回ばかりは妻に送迎をお願いする訳にはいかず、「午前3時に土合橋駐車場を出発し、元橋バス停15:56発のバスに間に合うように下山する」という計画を策定。理想的には、もう一本早いバス(=14:06発)を利用した方が上越線への連絡は良いのだが、そのためには午前2時前に駐車場に着くように自宅を出発しなければならず、睡眠時間の確保が厳しくなる。

さて、そんなことが頭の片隅にあったせいではないと思うのだが、ついついアクセルを踏み込む右足に力が入ってしまい(?)、土合橋駐車場に着いたのは予定より早い午前2時半頃。せっかくなので暗闇の中で素早く準備を整えて2時32分に歩き出し、谷川岳登山指導センター(2時47分)に登山届を提出してから2時52分に登山口に着く。

西黒尾根を上るのはこれで2度目であるが、幸い地面は乾いているようであり、これなら悪名高き蛇紋岩も問題ないだろう。途中、単独行の男性に追い越されるが、鉄塔(3時6分)〜“谷川岳山頂3時間”の標識(3時30分)と歩いて樹林帯を脱出すると周囲も明るくなってきたようであり、最初の鎖場(4時9分)〜ラクダの背(4時21分)を経て、5時23分にトマの耳(1963.2m)に着く。

青空の下、雲海上にはこれから歩く縦走路の各ピークが点々と頭を見せており、やはりこれから仙ノ倉山方面を目指すという先行者の方と“素晴らしい天気になりそうですね”と会話を交わしてから肩の小屋のベンチまで移動。付近に誰もいないことを確認してズボンを下ろし、CW-Xを身に付けてから5時33分に再び歩き出す。

小屋のベンチでは圏外だったスマホであるが、ほんの少し下ったところでハクサンイチゲの写真を撮ろうとして取り出してみるとアンテナが立っており、LINEを使って娘に経過報告。その後、少々不安定な場所もあったが、オジカ沢ノ頭、万太郎山、エビス大黒ノ頭、仙ノ倉山の各ピークでスマホを使うことが出来た。

さて、中ゴー尾根分岐(5時47分)の前後はガスの中だったが、高度を上げればまた青空が見えてくる。鎖場を過ぎてオジカ沢ノ頭(6時20分)に着くと、その後、オジカ沢ノ頭避難小屋(6時26分)〜小障子ノ頭(6時50分)〜大障子避難小屋(7時00分)〜大障子ノ頭(7時19分)と30分間隔くらいで小ピークが現れるが、いつしかガスも晴れ上がり、周囲の素晴らしい景色のおかげで元気百倍。

五策新道分岐(8時00分)のところで休んでいた単独行の女性(=昨夜は肩の小屋に宿泊されたとのこと。)から“何時に出発したのか”と質問されたので、正直に“土合を2時半”と答えると、“ヤマレコでは見たことがあるが、本当にそんな人が居るんですね”と呆れられてしまった。

その先の万太郎山(1954.1m。8時4分)が縦走路の約半分ということで、山頂に腰を下ろして小休止。2年前の馬蹄形のときに比べると今回の方が全然元気ではあるものの、エビス大黒ノ頭〜仙ノ倉山と続く縦走路はまだまだ距離がありそうであり、定番のウィダーインゼリーで気合いを入れ直してから8時11分に再出発。

越路避難小屋(8時32分)〜毛渡乗越(8時43分)に続くエビス大黒ノ頭への上りがこの縦走路最大のポイントだと予想していたが、ここまで上り用の筋肉を節約してきたこともあって足が上がらなくなるようなことはない。何とかピーク上にたどり着くと時刻は9時44分であり、出発時点での28分を含めると当初の計画を2時間近く上回っている。

まあ、どっちのバスにするかの最終判断は平標山に着いてからということで9時54分に再出発すると、ありがたいことに仙ノ倉山への上りは比較的緩やかであり、エビス大黒避難小屋(10時13分)を経て10時46分に仙ノ倉山(2026.3m)。そこには大勢の登山者の方々が休憩されており、俺も空いているスペースを見つけて腰を下ろす。

平標山へと続く緩やかな木道に目をやると、そちらも多くの登山者で埋め尽くされており、あの混雑の中、平標山にたどり着くには相当時間がかかりそう。疲れていたこともあり、“予定どおり15:56発のバスでいいや”とザックに寄りかかって居眠りでもしようかと思ったが、その間にも新たな登山者が続々と押し寄せてくるためとてもそんな気分になれそうもない。

仕方がないので11時4分に満員の山頂を後にし、グループ連れ等の後ろについて木道の上をのんびり歩いて行く。幸い道幅が広いので人が多くても渋滞を起こすようなことはなく、周囲に咲いている可愛らしい花々を何枚も写真に収めたりしながらのブラブラ歩き。こんな景色を妻にも見せてあげたいが、去年7月の平標山で少々辛い思いをさせてしまったため、再度引っ張り出すのはちょっと難しいだろうなあ。

そんなことを考えながらやはり満員の平標山(1983.8m)に着くと、時刻はまだ11時43分。妻と一緒の前回は下山に3時間半近くかかってしまったが、今回の事前学習ではここから2時間くらいでバス停に着いている方々の記録を読んだ覚えがあり、ひょっとしたらと思ってノンストップで先に進む。

最初の頃はこれから山頂を目指す方々に道を譲らなければならないため、なかなか思うようにいかないが、次第にすれ違う人の数が減ってくるとにわかにスピードアップ。松手山(1613.8m。12時24分)を過ぎ、鉄塔の下に着いたところで時刻を確認すると12時40分であり、これならケガでもしない限り余裕で14:06発のバスに間に合うだろう。

さすがに足も疲れてきたし、石がゴロゴロした山道はちょっと歩きにくいということで、ここでペースを大幅にスローダウンさせ、安全第一でゆっくり下りていく。前回、妻が苦戦したのもこの付近だったなあと懐かしく思い出しながら歩いて行くと、登山口(13時17分)を経て、13時20分に元橋駐車場に到着。ここまでの歩行距離は21.5kmだった。

その後、1リットル以上余った飲料水で顔を洗い、身なりを整えてから元橋バス停へ。残念ながら13時台のバスは無いようであり、近くに置かれていた錆び付いた小型ブルドーザーに腰を下ろして待っているとほぼ定刻にバスが到着し、それに乗って越後湯沢駅着。待ち時間を利用して駅ソバを食べてから15:08発の上越線土合駅(=15時33分着)へ向かい、最後は歩いて15時45分に土合橋駐車場に戻ってくることが出来た。

ということで、以前からの目標の一つであった谷川連峰主脈縦走を期待した以上の内容でクリアすることが出来て文句なしに大満足。特に谷川岳から仙ノ倉山へと続くトレイルは開放感のある素晴らしい縦走路であり、これで所要時間も把握できたことから、次回は紅葉の時期にでも再訪してみたいと思います。