ヒックとドラゴン2

2014年作品
監督 ディーン・デュボア
(あらすじ)
前作から5年後、ヒックの活躍ですっかりドラゴンたちと仲良しになったバーク島の人々は、今日もドラゴンレースに夢中。一方、立派な(?)青年へと成長したヒックは、今日も相棒のトゥースと一緒に未知の島々を探検していたが、そんなときドラゴン狩りをしている集団に遭遇し、彼等の話からドラゴン軍団を組織しようとしている謎の人物ドラゴ・ブラッドフィストの存在を知る….


とても面白かった「ヒックとドラゴン(2010年)」の続編。

前作での素晴らしいドラゴンの飛翔シーンを見て、続編は是非とも映画館の3D映像で見たいと思っていたのだが、我が国では劇場公開ナシという悲しいニュースにガックリ肩を落としたのが約1年前のこと。この度、ようやく心の傷も癒えてDVDでの鑑賞に臨むことが出来た。(←本当はウッカリ忘れていただけ。)

さて、バーク島の住民が色とりどりのドラゴンに跨がって空を飛び回るというドラゴンレースで幕を開ける本作は、前作以上に爽快な飛翔シーンが満載であり、改めて映画館の3D映像で見たかったなあ、と思ってしまう。それ以外でも前作からの4年間におけるCG技術の進歩は目覚ましく、登場するキャラクターの立ち居振舞いなんかはリアルすぎてちょっぴり気味が悪い(?)くらい。

登場人物の成長に違和感がないのもCGアニメならではの利点であり、主役のヒックもその恋人のアスティも期待どおりの素敵な若者に成長している。開始早々、バーク島の長の地位を譲るという父親の申し出に戸惑うヒックの姿もしっかり描かれており、青年から大人への成長という本作のメインテーマの提示にもソツがない。

と、ここまでは上々の滑り出しだったのだが、その後、謎のドラゴンライダーが登場するあたりからストーリーが錯綜し始め、生き別れになっていた母親との再会、強敵ドラゴ・ブラッドフィストとの対決、そして父親の突然の死と大事件が続発。これを102分という限られた上映時間内に収めようというのは、どう考えても無理だろう。

ということで、中盤以降のストーリー展開はかなり強引であり、ドラゴとの対決に象徴される“考えの異なる者同士の共存”という問題に関しては回答が出されないまんま。幸い、3作目の製作が進められているそうであり、そこではこの極めて現代的な問題について何らかの見解を示してもらいたいものです。