IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。

今日は、妻&娘と一緒に「IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。」を見てきた。

2年前に見た「IT/イット“それ”が見えたら、終わり。(2017年)」が面白かったので、当然、その続編である本作も鑑賞予定に入っていたのだが、その“期待感”の中身はスター・ウォーズアベンジャーズのときとは全く異質であり、まるでルーザーズクラブの面々がデリーを再訪するときに抱いていたのと同じような陰鬱な義務感(?)に駆られて映画館へ向かう。

さて、ストーリーは、27年ぶりに復活したペニー・ワイズの息の根を止めるために再集結を果たした大人版ルーザーズクラブの死闘の様子を描いているのだが、メンバーの一人だったスタンリーは恐怖に耐えきれずにさっさと自殺してしまうため、デリーに集まったのはビル、ベン、ベバリー、リッチー、エディ、それに幹事役のマイクの6人だけ。

まあ、こうやって前回と同じようにはいかないことをあらかじめ観客に意識させる手口はスティーヴン・キングによる原作と同じであり、その他の部分もかなり原作に忠実だったような気がする。前作を見たときに感じた“美味しいところはもう残っていないのでは?”という不安に関しても、少年少女時代の回想シーンをふんだんに挿入することによって上手く対処しており、十分に見応えのある続編になっている。

ちょっぴり残念だったのは、前作の薄気味悪さみたいなものが影を潜め、代わりにクリーチャー映画のような直接的な表現が多用されているところだが、相当の労力を投入したものと思われる丁寧なCG表現が功を奏し、危惧していたようなゲテモノ映画にはなっていない。おそらく一昔前の技術ではこう上手くはいかなかっただろうなあ。

正直、亀のイメージをはじめとして原作から省略されてしまった箇所は少なくないのだが、それでも本作の上映時間はホラー映画としては破格の169分であり、前作との合計ではまさかの5時間越え。まあ、これ以上の内容をアンディ・ムスキエティ監督に要求するのは酷というものだと思う。

ということで、これで大作「IT」を無事にクリアすることが出来、とりあえず一安心。と思っていたら、今週末にはあの名作「シャイニング(1980年)」の続編に当たるという「ドクター・スリープ」が全米で公開されるそうであり、我が国でも今月末公開の予定。まさに一難去ってまた一難といったところだが(?)、とりあえずまだ見ていないという妻&娘に前作の恐怖を味わってもらってから、対策を検討したいと思います。