シカゴ

2002年作品
監督 ロブ・マーシャル 出演 レニー・ゼルウィガーキャサリン・ゼタ=ジョーンズ
(あらすじ)
1920年台のシカゴ。ミュージカル・スターを夢見るロキシー・ハート(レニー・ゼルウィガー)は、マネージャーに紹介してやるからと言って彼女を騙した男を射殺した罪で郡刑務所に収監されてしまう。しかし、裁判を有利に進めるため、悪徳弁護士ビリー・フリンの手によって悲劇のヒロインに仕立てられた彼女は一躍マスコミの注目を集め、獄中にいながらシガゴ中の有名人に….


ミュージカル映画としては珍しく、アカデミー賞の作品賞にも選ばれた名作。

日本語ミュージカルを苦手とする俺にとって今年は当たり年のようであり、既にチケットを入手済みの「ジャージーボーイズ」をはじめ、「ピピン」、「トップハット」といった有名どころが相次いで来日を決めている。本作もそんな中の一本であり、年末に予定されている来日公演を見に行くかどうか、妻と娘に判断してもらう際の参考にということで家族揃って鑑賞。

俺自身は過去に何度も楽しませて頂いた作品であり、これといって新たな発見はないのだが、やはり良く出来た作品であることは間違いない。妻や娘と一緒に過去の名作ミュージカル作品を鑑賞する場合、どうしても現実シーンとダンスシーンとの“落差”みたいなものが気になってしまうことが少なくないのだが、本作の場合、まあ、比較的新しい作品だからということも大きいのだろうが、そんな違和感をほぼ意識しないで済むのがとても有り難い。

おそらく、現実シーンをショーの一部として取り入れ、上手い塩梅に非現実化することによってダンスシーンとのギャップを小さくしているのだろうが、それにしても本作における現実シーンからダンスシーンへの移行のスムーズさは驚異的であり、まるで知らないうちに魔法にでもかけられたような気分。

まあ、一人で見るときにはそんな“落差”は全く気にならないのだが、妻や娘と一緒だと、つい彼女らがどう感じているのか気になってしまうというのは、長年、ミュージカル嫌いの方々から揶揄され続けてきたことのトラウマみたいなものなんだろう。

ということで、本作に対する妻や娘の評価も上々であり、年末の来日公演を見に行くのはほぼ決定。ただし、主演を務めるのがNHKの朝ドラのヒロインだというニュースがちょっと気掛かりであり、彼女の実力の程は知らないが、朝ドラ人気に便乗した起用ではないことを強く祈ります。