ファニー・ガール

1968年作品
監督 ウィリアム・ワイラー 出演 バーブラ・ストライサンドオマー・シャリフ
(あらすじ)
ショー・ビジネス界のスターになることを夢見るファニー・ブライスバーブラ・ストライサンド)だが、その卓越した歌唱力にもかかわらず、正統派の美人とは言いかねる容姿のせいで周囲からの評価はいまひとつ。ところがある舞台で仕出かした彼女の大失敗が観客の爆笑を誘い、それを契機として歌えるコメディエンヌとして大ブレイク。当代随一の興行師ジークフェルドから出演のオファーを受けるまでに….


バーブラ・ストライサンド出世作となったブロードウェイ・ミュージカルの映画化。

先日のイディナ・メンゼルの来日コンサートの余波は依然として冷めやらず、彼女のライブDVDである「Live Barefoot at the Symphony」は既に購入済み。しかし、コンサートでも2曲目に歌ってくれた「パレードに雨を降らせないで」がミュージカル「ファニー・ガール」からの曲であることを知り、そちらを先に拝見することにした次第。

さて、ストーリーは実在した喜劇女優ファニー・ブライスの自伝的内容であり、彼女がミュージカル・スターとして認められるところから始まって、二枚目のギャンブラーであるニック・アーンスティン(オマー・シャリフ)との甘い結婚生活が破綻するまでが描かれている。

お目当ての「パレードに雨を降らせないで」が聴けるのは前半の終了間際であり、なかなかプロポーズしてくれないニックに業を煮やしたファニーが、大事な舞台を放り出して彼の後を追いかけていくシーン。当然、周囲の共演者等は彼女を引き留めようとするのだが、そんな人々に対し“私のパレードに雨を降らさないで”と歌いかける訳である。

まあ、ここまではなかなか面白かったのだが、一緒に見ていた妻も指摘したとおり、後半はジュディ・ガーランドの「スタア誕生(1954年)」の二番煎じであり、“私はアーンスティン夫人です”なんてセリフまで飛び出してくる始末。ここは最後までコメディ作品として押し通し、そのセリフはギャグとして使って欲しかった。

ということで、最初と途中のほんのわずかな部分を除き、歌声を聴けるのはバーブラ・ストライサンド一人だけであり、まあ、彼女のワンマン(?)ショーだと思って見ればそれなりに楽しめる。次は、正式なリメイク作品である「スター誕生(1976年)」を見てみるつもりだが、果たして共演のクリス・クリストファーソンの出番はあるのでしょうか。