アメリカン・スナイパー

今日は、妻&娘と一緒にクリント・イーストウッド監督の「アメリカン・スナイパー」を見に行ってきた。

全米では興行収入が3億ドルを超える大ヒットとなっているらしいのだが、予告編に出てくる“子どもの射殺(?)シーン”から推測しても、あまり楽しそうな作品とは思えない。他に家族で楽しめるような作品があれば、本作はDVD鑑賞に回しても良かったのだが、残念ながらあまりパッとした作品は見当たらず、一抹の不安を抱えながら映画館へ向かう。

さて、内容は“レジェンド”と呼ばれた実在のヒーローの体験を映画化した実話物であり、イラク戦争における彼の活躍がテンポ良く描かれている。スナイパーということで、遠く離れた位置から敵を狙い撃ちする訳であるが、撃つか撃たないかの判断が彼自身に任されることも多く、神の如き権限に伴うプレッシャーによって徐々に精神を蝕まれていく。

幸い、変に緊迫感を盛り上げるような演出は採用されておらず、予告編に取り上げられていたシーンにしても、目を背けないで見ていられるのがとても有り難い。そんな中、俺が一番怖かったのは、ラスト近く、主人公がオモチャ(?)の拳銃を使って妻を驚かそうとするシーン。勿論、冗談なのだが、俺はあの拳銃で妻や子を射殺するのでは無いかと、見ていて気が気でなかった。

ということで、見終わってからの娘の感想は“とても全米で大ヒットするような映画には思えない”というものであったが、それはアメリカ人の知能レベルを低く見積もり過ぎた偏見だろう。とりあえず、実際に戦争と背中合わせに生きている彼等の感想を是非聞いてみたいと思いました。