IT/イット“それ”が見えたら、終わり。

今日は、妻&娘と一緒に「IT/イット“それ”が見えたら、終わり。」を見てきた。

全米で大ヒットを記録した作品ではあるが、我が家が不得手とするホラー映画ということで映画館での鑑賞は諦めていたのだが、念のため娘の意向を確認してみたところ意外にも返事はOK。何でもTwitter上で彼女の好きな「ジョジョの奇妙な冒険」との類似性が指摘されていたそうであり、まあ、詳細は不明だがとにかく映画館へ。

さて、原作は昔読んだことのあるスティーブン・キングのベストセラー小説であり、本作ではそのうちの前半部分、すなわち主人公達がまだ子供だった頃のエピソードだけを取り上げているのだが、それだけでも上映時間は2時間を優に超えており、改めて原作小説の濃密さを思い知らされる。

しかも、いくつかのエピソード、特に“荒れ地”での子どもたちの活動シーンなんかは大幅にカットされてしまっているし、ビルの愛車シルバー号の活躍も見られないとあって、正直、原作ファンとしては少々物足りなさを感じてしまうところもあるのだが、まあ、“たかが”ホラー映画でこれ以上上映時間を延ばす訳にもいかなかったのだろう。

まあ、その点を除けば十分に合格点を差し上げられる内容であり、負け組の少年少女たちが一致団結して悪に立ち向かうというストーリーはやはり単純に面白いなあ。「スタンド・バイ・ミー(1986年)」を思わせる日常生活の描写とホラー映像とのバランスも上手くとれており、美しい映像のおかげでゲテモノ感が感じられないのも素晴らしい。

かなり怖かったという娘は、鑑賞後“これはジョジョではない”と言っていたものの、作品自体の出来には満足していたみたい。また、入れ知恵をした訳でもないのに、妻も娘も作中2度ほど登場する“亀”のイメージはしっかり受け止めていたようであり、このへんはアンディ・ムスキエティ監督のお手柄なんだろう。

ということで、既に続編の製作が決定しているらしいが、原作の面白いところはほとんど本作で使ってしまったし、最後のITとの対決シーンをゲテモノ感なしで映像化するのは至難の業ということで、正直、とても心配。どうか脚本に十分時間をかけて、本作の品位を汚すことのないようにお願いします。