怪盗グルーのミニオン大脱走

今日は、妻&娘と一緒にイルミネーション・エンターテインメントの最新作である「怪盗グルーのミニオン大脱走」を見てきた。

「怪盗グルー」シリーズの第3弾になるのだが、前二作はDVDで見ているため映画館に足を運ぶのは今回が初めて。DVDのように字幕版を選択することが出来ないのはちょっぴり憂鬱だが、スピンオフ作品の「ミニオンズ(2015年)」ですっかりミニオン・ファンになってしまった我が家にしてみれば、彼らに出会えるチャンスを見逃す訳にはいかない。

さて、ストーリーは、悪人のバルタザール・ブラットを取り逃がした責任で反悪党同盟をクビになってしまったグルーが、バルタザールに奪われた巨大ダイヤを取り戻すために奮闘するというものであり、当然、これだけでは話がもたないので、生き別れなっていたグルーの双子の弟ドルーを登場させることにより急場を凌いでいる。

その他にも、三人娘のまま母になったルーシーと長女マーゴとの微妙な母娘関係や、三女アグネスのユニコーン探しといったエピソードを投入することによって時間を稼いでいるのだが、残念ながらどれもこれも底の浅い小ネタばかりのためほとんど印象には残らない。しかし、じゃあつまらないのかと問われれば、決してそんなことはないのだから困ってしまう。

我等がミニオンたちは、開始早々、悪党から足を洗ったグルーに愛想を尽かして出て行ってしまうため、本編のストーリーにはほとんど絡んでいないのだが、要所に登場する彼らのハチャメチャな行動は愛嬌たっぷりであり、その作品への貢献度は極めて大きい。特に、彼らが「SING」の舞台に登場するシーンは本作の白眉であり、是非ともミニオンたちを主役にしたミュージカル作品を作って欲しいなあ。

ということで、「カーズ/クロスロード(2017年)」を見たばかりなので、どうしてもディズニー=ピクサー作品と比較してしまうのだが、ユニバーサル=イルミネーション作品の強みは単純に“面白さ”の追求に徹することが出来るところ。本作でも、冒頭にニモを思わせるカクレクマノミの胸ビレを引きちぎってみせるシーンがあるのだが、とてもじゃないが良識派ジョン・ラセターにそんな真似は出来ないだろうし、また、そんな両者の差は我が国におけるディズニー・リゾートとUSJの経営方針の違いにも影響しているような気がします。