ビフォア・ウォッチメン:ミニッツメン/シルク・スペクター

ビフォア・ウォッチメン・シリーズの第2作目。

このシリーズは作品ごとにクリエーターが変更になるらしく、第1作目のブライアン・アザレロに代わり、今回はダーウィン・クックという人がストーリーを担当。「ミニッツメン」では彼自身が作画も行っているが、「シルク・スペクター」では女性のアマンダ・コナーがアートを担当している。

そんな訳で、「ミニッツメン」を読み始めたときには、そのあまりにもマンガ的でシンプルな絵づらに違和感を覚えてしまったのだが、読み進めていくうちに少々レトロな雰囲気の漂う魅力的なストーリーにその絵が見事にマッチしていることを発見。それからは、とても楽しく最後まで読み終えることが出来た。

一方の「シルク・スペクター」は良くある“親離れ”をテーマにした作品であり、これまでの作品に比べて“毒”の要素はかなり控え目。とはいえ、若者のヒッピー・ムーブメントが薄汚い資本主義の波に飲み込まれていく様子を“別の角度”から描く等、当時の雰囲気を知る世代(=俺もギリギリ含まれているのかな。)にはなかなか興味深い内容だった。

ということで、内容的には「ミニッツメン」が大変面白く、こちらだけでも十分に元が取れる。特に、フーデッド・ジャスティスやシルエット、モスマンあたりには、まだまだ明らかにされていない奇想天外な過去が隠されていそうであり、いつの日か誰かが作品化してくれるのを強く望みます。