ビフォア・ウォッチメン:コメディアン/ロールシャッハ

アメリカンコミックスの名作である「ウォッチメン」の前日譚を描いたシリーズの1作目。

アメコミらしく、絵もストーリーも「ウォッチメン」とは別のアーティストが担当しているのだが、少なくともイラストに関しては「ウォッチメン」よりかなり進化しており、コマ割りも自然になってとても読みやすい。

ストーリーに関しては、凝りに凝ったコメディアン編と意外にあっさりしたロールシャッハ編とに分かれており、まあ、このへんは好き嫌いの分かれるところ。前者に関しては、60年代のアメリカ文化に関するそれなりの知識が必要であり、冒頭に登場する女性の正体について、次に読むことになっている娘が気付くことが出来るか心配になってしまった。

そんな意味では、後者の方が気楽に読めるのだが、期待のロールシャッハの活躍シーンが少ないのがちょっぴり残念。まあ、そんなところも含めてロールシャッハということなのだろうが、いつの日か彼が大活躍するような作品も読んでみたいと思う。

ということで、このシリーズにはあと7作続きがあるらしく、今のうちから読むのがとても楽しみ。おそらく「アフター・ウォッチメン」にお目にかかれるのも、そう遠い先のことではないのでしょう。