ローン・レンジャー

今日は、妻と一緒にジョニー・デップの新作「ローン・レンジャー」を見に行ってきた。

子どもの頃、TVドラマで見ていた記憶はあるのだが、覚えているのは“ウィリアム・テル序曲”と“ハイヨー、シルバー”くらいのものであり、内容の方はさっぱり。既に公開されているアメリカでの評判がいま一つというのがちょっと気になるが、まあ、パイレーツ・オブ・カリビアン・シリーズと同様、最初っから“傑作”は期待していないということで、気楽な気持ちで映画館へ。

ジョニー・デップの演じているのが、主役のローン・レンジャーではなく、本来、脇役であるはずのトントの方ということで、内容的にもストレートなヒーロー物にはなっておらず、かなりコメディ色の強い作品になっている。まあ、それは別にかまわないのだが、トントの白塗りメイクがきつすぎるため、ジョニー・デップの表情が良く分からないのが気になるところ。

面白かったのは、最初に殺されてしまう数名のレンジャーの皆さん以外、出てくる白人が悪人ばかりという設定。いまさらネイティヴ・アメリカンを悪役扱いする訳にもいかないということで、脚本家の苦渋の選択だったのかもしれないが、あのような腐りきった白人社会の中では、悪人ではなく、正義の味方の方が覆面を被らざるを得ない(=あれって、今風に言うとテロリストだよね。)という理屈は良く理解できた。

ということで、例によって脚本はグダグダであり、見世物小屋に“展示”されていた老トントが、訪れた少年に昔話の形で本作のストーリーを物語る、という設定もほとんど活かされていないのだが、ウィリアム・テル序曲と共に始まるラストのアクションシーンには大層力が入っており、最終的に大きな不満はない。ただし、続編が出来るかという点に関しては、ちょっと微妙なところかも知れません。