レ・ミゼラブル

今日は、妻と一緒に「レ・ミゼラブル」を見に行ってきた。

個人的には、今年のお正月映画の最大の目玉だと期待していたのだが、意外や意外、家族の反応はいま一つ盛り上がらない。仕方がないので一人寂しく見に行こうかと思っていたところ、優しい妻が付き合ってくれることになり、喜び勇んで映画館へ。

さて、映画は“Work Song”の力強い歌声で幕を開けるのだが、それにミュージカル作品らしからぬ大迫力の映像が加わって威力は倍増。アッという間に作品の魅力に引き込まれてしまう。また、全編、セリフ代わりの歌詞によってその場の状況等が明らかにされるため、回りくどい説明は一切不要であり、あとはそれによって生み出されるスピーディーな展開に身を任せていれば良い。

先日拝見させて頂いた1957年版のストーリーとはいくつか異なる箇所もあったが、いずれもミュージカル化のための必要最低限の工夫の範囲内であり、泣かせどころはしっかり押さえてある。ジャベールがガブローシュの亡骸の上に勲章を置くシーンは1957年版には登場しなかったと思うが、まあ、子どもを使って泣かせるのはちょっとズルイよねえ。

考えてみれば、ジャン・バルジャンの人生にだって、いくらでも幸福な出来事(=市長に上りつめるまでの過程やコゼットの育児等)はあったと思うのだが、そういったものをすべて排除し、悲惨なエピソードだけを並べている原作もなかなか巧妙。それでいて観客を憂鬱な気分にはさせないんだから、本当に良く出来た物語なんだと思う。

ということで、見終わってからの妻の評価も上々であり、DVD(というより最早Blu-rayかな?)の購入は当然のこと、年明けには舞台での鑑賞も検討してみたい。そのときには、無事受験を終えている筈の娘にも是非付き合ってもらいたいものです。