探偵はBARにいる

2011年作品
監督 橋本一 出演 大泉洋松田龍平
(あらすじ)
札幌のススキノにあるBAR“ケラーオオハタ”を事務所代わりにして探偵稼業を営む“俺”(大泉洋)の元へ、ある夜、“コンドウキョウコ”と名乗る謎の女性から仕事の依頼の電話がかかってくる。翌日、依頼されたとおり南という弁護士を訪れ、彼女から指示されたとおりの質問をするが、まともに取り合ってもらえず、その帰り道、複数の男たちによって拉致されて雪の下に生き埋めにされてしまう….


ローカルTVで放映中の「水曜どうでしょう」で我が家でも大人気の大泉洋の主演作品を家族で鑑賞。

基本は、主人公の“俺”とやたらに喧嘩の強い高田(松田龍平)とのコンビによるハードボイルドな探偵物であり、多用される主人公のモノローグもいかにもそれっぽいのだが、それをバックに映し出される実際の映像の方はかなりドタバタ調であり、そのギャップが観客の笑いを誘う。

その一方、終盤はあくまでもシリアスにまとめられており、まあ、こちらもベタな手法ではあるものの、結末の悲劇性をより高めることに成功している。大泉洋の主演であれば、もっとハチャメチャな内容のギャグ映画にすることも可能だったと思うが、あえてオーソドックスな手法で勝負した制作態度には好感が持てる。

また、物語の舞台を冬の札幌に設定したことが意外なほど効果を上げており、暴力団が主人公に警告を与えるために採用した方法が“雪の中への生き埋め”というのはとても新鮮。札幌という土地が雪国であることを改めて再認識させていただいた。

主演の大泉洋はまさにハマリ役であり、ちょっと三枚目の入ったクールガイ役を楽しそうに演じている。相棒の高田に扮している松田龍平も悪くないのだが、出番は少ないもののストーリー的には極めて重要な役である霧島を演じている西田敏行が完全なミスキャストであり、人望の厚い左翼上がりの人物にはどうしても見えなかった。

ということで、幸いなことに本作の評判は良好だったらしく、続編の製作が既に決定しているとのこと。しかし、続編が公開されたら映画館に見に行くかというと、まあ、ちょっと微妙なところであり、映像的にはTVドラマの域を出ていないことから、またDVDでも良いかなあ、なんて思ってしまいます。