駆込み女と駆け出し男

今日は、妻と一緒に「駆込み女と駆け出し男」を見に行ってきた。

大泉洋は我が家でご贔屓にさせて頂いている俳優さんの一人なのだが、それに加え、この作品の舞台になっているのが先月家族で訪れたばかりである北鎌倉の東慶寺ということで、妻と二人、公開されるのを楽しみにしていた。

さて、ストーリーは、さる大店のお妾さんであるお吟(満島ひかり)とたたら場で働いていたじょご(戸田恵梨香)の二人が東慶寺に駆け込むところから始まるのだが、何故か彼女たちが逃げ込んだ先は柏屋という宿屋みたいなところ。まあ、しばらく見ていれば東慶寺と柏屋の関係が理解できるようになってはいるものの、出だしから映画のテンポに乗り遅れてしまったようでいきなりイヤな気分にさせられる。

そんな俺の気持ちを他所に、映画の序盤はもの凄いスピードでストーリーが展開していくため、なかなか遅れが取り戻せないっていう感じ。原作が井上ひさしということで、威勢の良い江戸前(?)の啖呵も飛び出してくるのだが、早口すぎてほとんど聞き取れないし、聞き取れたとしても江戸ことばの意味を理解する時間的余裕がないためストレスは溜まる一方。

その後、舞台が唐突気味に柏屋から東慶寺へ切り替わると、ようやく一息つけるようになるものの、今度は登場するエピソードがいずれも尻切れトンボなのが気になって仕方がない。いくつか興味深い話はあるのだが、残念ながらすべて消化不良であり、作品全体に不気味な陰を落としていたハズの鳥居耀蔵による陰謀の結末に至っては、呆れるほどのお粗末さ。

ということで、脚本が悪いのか、演出が悪いのか悩みながら見ていたのだが、この疑問に関してだけはエンドクレジットを見てスッキリ解決。映像はソコソコきれいだし、大泉洋戸田恵梨香の演技にイヤミは無いのでそれほど腹は立たなかったが、少なくとも脚本くらいはちゃんとした人にお願いすべきだったと思います。