SP 革命篇

営業を一時休止していた近所のシネコンも先週から営業再開ということで、今日は家族で「SP 革命篇」を見に行ってきた。

昨年見た「SP 野望篇」の印象から、本作のメインテーマとなる“大義=革命”が相当スケールの小さいものになりそうなことは容易に想像できたところであるが、まあ、そうはいってもTVシリーズから持ち越されてきた数々の謎がようやく明らかにされるということであれば見逃す訳にはいかない。映画館の館内もほぼ満席に近い状態だった。

さて、実際の“革命”の中身は、国会議事堂を(半分だけ)占拠して、閣僚の悪事の数々をTVカメラの前で告白させるという、予想どおり相当リーズナブルなものであり、これで国民を覚醒させるのはちょっと難しいんじゃないか(=作中でもそのような発言がある。)と思ったが、前述のとおりこれは想定内のことなので特に不満は無い。

TVシリーズから持ち越されてきた謎についても、要は“悪いのはすべて麻田首相のせい”という程度の相当薄っぺらな内容になってしまっており、何もここまで引っ張るようなことは無かったんじゃないかという思いが強いものの、一応それなりの説明はあったので、まあ、とりあえず約束は果たしてもらったといって良い。

その他、前作の目玉であった岡田君扮する井上のアクションシーンが少な目であったり、文房具を使って敵をやっつけるという展開がTVシリーズの二番煎じであったりと小さな不満はいくつかあったものの、間違いなく最後は死ぬものと思われていた尾形が一命をとり止め、そのまま静かなエンディングを迎えようとしていたそのときに、何と新たな謎の提示が!

いや、ちゃんとした新しいアイデアが用意されているのであれば続編も大歓迎なのだが、この2本の劇場版を見た限りではその可能性は極めて薄そうであり、頭の悪そうな国会議員に“杉村”を登場させたりする程度の小ネタに頼った脚本は、最早限界に来ていると言わざるを得ない。

ということで、長年の謎を晴らしてスッキリすることだけを目的に劇場まで足を運んだにもかかわらず、最後の最後で再びモヤモヤした気分にさせられてしまい、映画の印象はもう最悪。仮に続編があったとしても、TV局のあざとい商売にこれ以上付き合うつもりは毛頭ありません。