ロビンフッドの冒険

1938年作品
監督 マイケル・カーティス 出演 エロール・フリンオリヴィア・デ・ハヴィランド
(あらすじ)
第三次十字軍遠征に赴いた兄のリチャード王が誘拐されてしまい、ジョン公は王の不在を良いことに悪政圧政のし放題。ノルマン人である彼は、サクソン人に対して略奪や殺戮を繰り返したため、サクソン人の貴族で弓の名人であるロビン・フッドエロール・フリン)は大勢の仲間たちと一緒に立ち上がり、シャーウッドの森に立て篭もって反撃の機会を窺っていた….


マイケル・カーティスエロール・フリンの名コンビによる痛快冒険劇。

我が国でも良く知られた中世イングランドのヒーローが大活躍するお話しであるが、その作品を改めて拝見するのは今回が初めて。一般的には義賊として描かれることの多いロビンが貴族として登場するなど、多少、オリジナルな設定も採用されているようであるが、全体的には俺の想像していたロビン・フッド像と比べても大きな違和感はない。

お馴染みのエピソードは一通りきちんとフォローしてあるにもかかわらず、上映時間は102分とコンパクトにまとめられており、もう、見ている間は次から次へと見せ場の連続といった状態。また、この時期としては信じられないくらいにカラー映像も美しく、娯楽作品としてまずは文句の付けようがないレベルに仕上がっている。

主演のエロール・フリンはまだ20歳代ということで、数あるアクションシーンも華麗にこなしており、特にラストで見せてくれる宿敵ガイ卿とのチャンバラシーンはお見事の一言。ヒロインのマリアン姫に扮するオリヴィア・デ・ハヴィランドは、「風と共に去りぬ(1939年)」の前年の出演になる訳であるが、彼女としてはちょっと珍しい典型的なお姫様役を無難に務めている。

さらに、脇役が充実している点も本作の素晴らしいところであり、ジョン公役のクロード・レインズ(!)をはじめ、ガイ卿役のベイジル・ラスボーン、タック修道士役のユージン・パレットといった具合に、いずれ劣らぬユニークな名優たちが顔を揃えている。

ということで、このところちょっと意識してマイケル・カーティスの監督作品を見ている訳であるが、本作はこれまでに見てきた彼の作品の中でも相当上位にランクされる出来だと思う。次は、やはりエロール・フリンと組んだ「海賊ブラッド(1935年)」を見てみたいと思います。