ホワイト・クリスマス

1954年作品
監督 マイケル・カーティス 出演 ビング・クロスビーダニー・ケイ
(あらすじ)
ブロードウェイで大人気のボブ(ビング・クロスビー)とフィル(ダニー・ケイ)は第二次世界大戦の戦友同士。ひょんなことから同じ列車になったベティとジュディの姉妹と一緒にバーモント州の某ホテルを訪れることになるが、記録的な雪不足のせいもあってホテルは倒産寸前。そのホテルの経営者がかつての上官であるウェイヴァリー将軍だと知った二人は…


ホワイト・クリスマス」をはじめとするアーヴィング・バーリンの楽曲ばかりを取り上げたミュージカル作品。

実を言うと、このDVDを購入したのはもう随分昔のこと。なかなか見る機会が訪れずにずっと書棚の片隅にしまっておいたのだが、いまやすっかり一人前のミュージカル・ファンへと成長を遂げた(?)妻&娘ならきっと楽しんでもらえるに違いないということで、勇気を振り絞ってクリスマスの晩に彼女らと一緒に鑑賞。

さて、俺がこの作品を見るのも数十年ぶりということでストーリーは完全に忘却の彼方であり、いきなり戦場のシーンから始まったのでちょっと驚いてしまったのだが、間もなく戦後のシーンに変わって一安心。しかし、戦争の影はその後も本作から完全に離れることはなく、感動的な大団円もちょっぴり素直には楽しめない。

まあ、国内がほぼ戦場にならなかったアメリカだからこそ、こういった戦争とクリスマスとミュージカルの組合せが成立するのだろうが、そのアメリカにしても1960年代に起こったベトナム戦争以降、このような形で戦争を取り上げることは困難になったハズ。そう考えると、本作は歴史の狭間でかろうじて成立し得た奇跡的な作品群のうちの一つなのかもしれないなあ。

しかし、そんな年寄りの感傷を抜きにしてしまえば、主演の二人にローズマリー・クルーニーとヴェラ=エレンを加えた豪華な顔ぶれによるミュージカルはなかなか良く出来ており、アーヴィング・バーリンの楽曲も粒ぞろいの名曲が揃っている。妻&娘はヴェラ=エレンのダンスとスタイルの良さに感心していたが、う〜ん、俺の好みからするとちょっと痩せすぎなんだよなあ。

ということで、見終わってから知ったのだが、本作はビング・クロスビーフレッド・アステアのコンビで映画化された「スイング・ホテル(1942年)」のリメイク的作品でもあるらしく、名曲「ホワイト・クリスマス」はそちらでも披露されているとのこと。あまり評判が良くないところが気になるが、まあ、そのうち見てみようと思います。