僕らのミライへ逆回転

2008年作品
監督 ミシェル・ゴンドリー 出演 ジャック・ブラックモス・デフ
(あらすじ)
マイク(モス・デフ)が働いているのは、市役所から取壊しを迫られているおんぼろビルの一階にあるレンタルビデオ店。店長から留守を任された彼は、その信頼に応えようと張り切るものの、友人のジェリー(ジャック・ブラック)のせいで商品のビデオが全てダメになってしまい大弱り。止むを得ず、客から注文のあった「ゴーストバスターズ」のビデオをジェリーと一緒に手作りでリメイクしようとするのだが….


ジャック・ブラック主演のコメディ作品。

出来上がった作品は上映時間が20分にも満たないメチャクチャな内容の作品なんだけど、何故かこれが口コミで町中の大評判になってしまい、これに続いて「ラッシュアワー2(2001年)」、「ロボコップ(1987年)」、「2001年宇宙の旅(1968年)」、「ドライビング Miss デイジー(1989年)」といった具合に、過去のヒット作品を次々とリメイクすることになってしまう。

そして、リメイクする作品が増えるに従い、次第に多くの町の人たちが作品作りに参加するようになるが、まあ、所詮は素人作品ということで内容的には極めてチープ。しかし、考えてみればメリエスの「月世界旅行(1902年)」における“特撮”にしてもこれらの作品とそう大きな差があった訳では無く、映画の楽しさの原点のようなものがそこにあるのかも知れない。

また、最新のDVDを取り揃えた人気の競合店に対する“人気のある作品しか置いていない”とか“店員に映画の知識がない”といった指摘は、俺の近所にあるビデオ店や本屋にもそのまま当てはまるものであり、感動のラストシーンを含め、本作の有するテーマやメッセージに関しては共感できるところが少なくなかった。

主演のジャック・ブラックの怪演ぶりは、まあ、いつもどおりの出来であり、特に不満はないが、相手役のモス・デフは少々力不足気味で、途中からリメイク作品のヒロインとして参加するメロニー・ディアスに随分と助けられていたような印象。それと、個人的には久々にミア・ファローを見られたのがとても嬉しかった。

ということで、ジェリーとマイクのコンビが中心となって色々な映画のリメイクを作るシーンが一番の笑いどころになっているのだが、途中から駆け足になってしまっているあたりがちょっと残念。また、オリジナル作品に関する知識がある程度ないと十分楽しめないっていう点も、本作の興行上の欠点になってしまうんでしょうね。