ミュージカル TOP HAT

今日は、妻&娘と一緒に「ミュージカル TOP HAT」を見に行ってきた。

往年のハリウッド製ミュージカル映画の舞台化という点では昨年11月に拝見した「SINGIN’ IN THE RAIN 〜雨に唄えば〜」と同系列なのだが、ストーリー的にも優れている「雨に唄えば(1952年)」に比べ、「トップ・ハット(1935年)」の方は単純なボーイ・ミーツ・ガール・ストーリーであり、娘の帰省中に家族で見たDVDに対する評価も残念ながらイマイチ。

そんな一抹の不安を抱きながら渋谷のハチ公前で娘と合流し、近くの「GONTRAN CHERRIER」というパン屋さん(=購入したパンをその場で食べられるイートインスペース付き)で腹拵えをしてから会場である東急シアターオーブへ。先日の「ジャージボーイズ」同様、今日も前から3列目の好位置だが、オーケストラボックスがステージ下に設けられているため、その分だけ舞台までの距離が遠くなっている。

さて、オープニングは映画版と異なっており、主人公ジェリーのブロードウェイでのステージ・シーンで幕を開けるのだが、ここで使われているのが名曲“Puttin’ on the Ritz”ということで、つかみはOK! 映画版では一度も登場しなかったジェリーのステージ上でのパフォーマンスをいきなり見ることが出来て、今後の展開に胸は膨れるばかり。

そんな予想に反し、その後のストーリーはほとんど映画版と同じなのだが、とにかく展開がスピーディーなので退屈しているヒマは無い。コメディ色の強まる後半も今の若い方々に受け入れてもらえたようであり、会場のあちこちから笑い声が聞こえてくる。映画版に比べると執事のベイツとイタリア人のアルベルトのキャラが入れ替わっているような印象を受けたが、まあ、これが執事とイタリア人に対する英米の価値観の違いなのかもしれないなあ。

ジェリー役のアラン・バーキットは長身で正統派の二枚目であり、正直、アステアとはかなりイメージが異なるのだが、ダンスの端々にアステア風の仕草を取り入れてくれており、見ていて思わずニヤリとしてしまう。デイル役のシャーロット・グーチもなかなかの美人であり、映画版では聴けなかった素敵な歌声を披露してくれた。

ということで、「SINGIN’ IN THE RAIN 〜雨に唄えば〜」に引き続き2度目のウエストエンド・ミュージカルの鑑賞となったが、セットや衣装へのこだわりはおそらくブロードウェイ以上であり、とにかく夢を見ているくらいに美しい。来年はどんな作品を見せてもらえるのか、今のうちからとても楽しみです。